コラムー19 お酒を飲むとくどくなる厄介な人
お酒を飲むと人が変わったようにくどくどとお話しをされる厄介な人がいます。私が知っているある人は、懇親会の席で若い人たちを自分の前に正座させてお説教と自慢話をされていました。若い人たちも心得ていて、一定の時間になるときっかけを作って交代し、上手に耐えていたようです。
なぜ、お酒を飲むとくどくなってしまうのでしょうか。
ひとつはアルコールを燃料にして、日頃思っていても言えないことを吐き出しているのでしょう。
きっと、素面(しらふ)では、口に出せない位ナイーブな性格の持ち主なのかも知れません。
そして、お酒が入ることにより記憶力も時間認識力も低下してしまい、長々と時間をかけて、同じ話を何度も繰り返すのではないでしょうか。ひどい時には、さっき話したばかりの内容を初めて話すような顔をされて繰り返すことがあります。こうなると聞いている方は、たまったものではありません。
もうひとつは、自分の自慢話をしたくて仕方ないのですが機会に恵まれていないのです。自分はこんなに凄いことをしてきたんだぞ、どうだ!と言わんばかりに昔の栄光話(?)を、1から10まで、順序よくお話しされる場合が多いようです。
そして、始末の悪いことに、過去の自分に比べたら、今の若い人たちがいかになっていないか、ということを滔々とお説教するのです。こうなると最早、ボランティア精神で耐えてきた若い人たちも怒りさえ覚えてきます。中には、猛然と抗議してしまう若者も現れます。しかし、これは逆効果です。抗議などしようものなら、怒りを大爆発させて大説教モードに突入してしまうのは必至です。
それと年長者に見られる傾向が、すぐに人事の話を始めることです。しかし、私の経験上、お酒の席で人事の話を得意になって話す人は、人事権の中核から外れている人です。あたかも、自分が人事権を握っていて、過去の人事を行ってきたか、を事実の如く吹聴して、お酒の席を楽しんでいるに過ぎません。
◆では、このような厄介な人とはどのようにしてお付き合いしたらよいのでしょうか。
お酒の席はご一緒しないこと。これが極論です。もし、どうしても同席しなければならない場合は、近づかないことです。お酒が入るとくどくなることは初めから分かっているのですから、近距離にいれば必ず被害を受けてしまいます。相手から近づいてきた時は、要注意です。あなたをターゲットにしている可能性があります。トイレに立つのもいいでしょうし、急に電話がかかってくるのもいいでしょう。とにかく、その場から離れることです。
そして、お酒が入っているのですから記憶など曖昧になっているのです。勘定を済ませて店を出るのも上策です。間違っても、この人と一緒に人数の少なくなる二次会や三次会に足を運ぶような愚行をしてはいけません。
もっと大切なことがありました。あなた自身が厄介な人にならないことです。お酒を飲んでもお酒に飲まれないような自制心を養うことです。酒席で失敗した例は数限りなく巷に溢れています。
「以て他山の石とせよ」