体育授業-1 体育授業と運動
体育授業は、運動を通して健康や友達の有難さや学び方まで学習する教科です。勿論サッカーのドリブルやシュートという技能の習得そのものが学習の課題となることもあります。
いずれにせよ、体育授業に欠かせない要素は運動です。私達教師も各教科の研修会で様々な指導方法を学んでいます。体育の実技研修会もそのひとつです。実技研修会に集まった教師の中には「気乗りがしない」と、やや気難しい顔をして教師も少なくありません。
しかし、いざ、研修会が始まり運動している内に眉間の皺が跡形もなく消えてしまうのです。運動をすることにより体内に分泌されるホルモンの影響で、理屈を越えた快感が体を駆け巡るのです。
そして、一緒に運動している内に、今まで会ったこともなかった人に対しても親近感を覚えるようになるのですから不思議です。
この人体のメカニズムを教育に用いない手はありません。快感を味わいながら、自他の健康や、友情、学び方を学習出来るのです。体育授業にあって、他の教科にないもの・・・それは「運動」という魔法です。
私は、新任から四年間、特別支援学校で勤務しました。
子どもたちは、朝、登校用のバスを降りて担任と手をつなぎ教室へ向かいます。トイレと体育着への着替えを済ませると朝の自由時間です。校庭に出ると北風がビュービューと鳴っている寒い朝でした。ウインドブレーカーに身を包み、背中を丸めて校庭に出た私の手を振りほどくようにして一目散に走り出すA君。何と、A君は北風に向かって走り出したのです。その笑顔の清々しさに、私もつい、走り出し寒さを忘れてしまいました。
子どもは風の子、風と遊んでいる子どもたちは、どの子も皆笑顔です。運動は、子ども達に無条件で笑顔を保障する魔力を持っているのです。
余談ですが、仕事でデスクにへばりついていると悶々として笑顔が無くなります。
「下手な考え、休むに似たり」の言葉通り、一休みして軽いウオーキングをしたり、ストレッチ運動をすると、コーヒーやキャンディーよりもはるかに脳がリフレッシュされるのを感じます。このように運動と脳には、密接な関係があるのです。