体育授業ー2 チームワークを高める行動
◆ボールゲームの授業では、チームワークを高めることが大きなねらいとなります。
私の教職経験から考えると子どもたちのチームワークを高めるためには、幾つかの定石的な行動様式があるようです。
小学校の1年生から6年生まで全ての学年で実践してみましたが、目に見えた効果が得られました。
ひとつは、ゲームのはじめとおわりの挨拶です。ここでは、必ず握手をさせます。そして、特にゲームが終わった時の挨拶では勝っても負けても「頑張ったね」と声を掛けることを奨めていました。
この言葉は、私が担任した3年生の子どもが自主的に発した言葉でした。この言葉には勝敗をかけて戦っていた相手の心を和ませる、いわゆるノーサイドの精神を学ぶ上で大変効果的でした。
二つめは円陣です。チームで肩を組み、大きな声でエールをかけるのです。戦う前に勢いも高まりますし、一体感も醸し出されます。
なお、握手と円陣は放っておくと男子は男子と、女子は女子と行おうとするのが普通です。これでは、真のチームワークは高まりません。
教師の方で「男女で行うこと」という明確な条件を付けましょう。これは、教師にしかできないことです。始めは戸惑ってぎこちない反応を見せても、大好きなゲームの前では、戸惑いなどすぐに霧散してしまいます。
そして、男女で握手し、肩を組めるようになると絶妙なチームワークが醸し出されてくるものです。
三つめは、応援することです。特に指導していただきたい言葉は「ドンマイ」です。
子どもたちは、友達が失敗した時に、どのような声をかけてよいのか知らないのです。ですから、友達の失敗を笑ってしまうのです。
正しい声のかけ方を教えてあげましょう。自分が失敗した時に「ドンマイ」とみんなから声をかけられれば、「次こそ頑張ろう!」という意欲が行動になって表れるはずです。
以上の三つの行動は、残念ながら自然発生することはありませんでした。教師が根気強く指導して初めて子どもたちの間で習慣となり、互いの信頼関係を深めるようになるものです。
ここは、子どもたちの自主性を論じるところではありません。教師が指導性を発揮するところです。