コラムー20 積小の継続ができる魅力的な方
◆小さな事かも知れません。それでも、信念を持って毎日継続されていると、やがて大きな成功に結び付くこともあります。ノーベル賞を受賞された人、プロスポーツ界でMVPや賞金王になった人、世界中から注目を集める人たちの大きな功績も、毎日の小さな積み重ねから始まっているのではないでしょうか。
そもそも仕事やスポーツ、研究の世界等々で、少々の努力で大きな成果を得ることなどまずあり得ないでしょう。時として1クリックで大金を手に入れた人の話もニュースに上ることもありますが、果たして、偶然の1クリックだったのでしょうか。1クリックの前に成功の伏線となる努力なり、研究なりがあったのではないでしょうか。
先日のテレビ番組で、和田アキ子氏が体調が優れない中、73歳でフィナーレ曲を恒例の生声で歌い上げ、多くの人に感動を与えている姿に胸を熱くしました。番組の最後に、「なぜ、和田さんは歌い続けるのですか?」と質問すると即答でした。「私の歌を待っていてくれるファンがいるから」
誰かのために、自分の命を燃やし続けるプロの姿に感動しました。
教員の世界でも子どもたちのために、毎日の教材研究をコツコツと工夫して、最善の授業を行い、子どもたちとお別れする日に「来年も先生が担任してください!」と涙を流されると頭の中が真っ白になってしまいます。
私の知る、ある教師が、一日も欠かすことなく学級通信を発行していました。子どもたちだけでなく、保護者の方も毎日、とても楽しみにしていました。そして、修了式の日、お別れする時に、子どもたちや保護者から大きなラブコールが起こったそうです。
以後、この教員は修了式のその一瞬が忘れられず、担任時代、毎日学級通信を発行し続けたそうです。
その教師も、「なぜ、学級通信を発行し続けるのか?」と質問すれば、きっと「子どもたちや保護者が待っているから」と即答したことでしょう。
学級通信にしても、実践研究にしても、スポーツの練習にしても、毎日の営みは点に過ぎません。
今日、そのことをしたとしても、即、脚光を浴びることはありません。それでも、信念を持って、誰かのために、その点を休むことなく描き続けていくと、点は線になり、やがては大きな成果を得られるようになるのではないでしょうか。
世に言われる達人は、他人から見えないところで、小さな努力を積み重ね続けてきた人なのではないでしょうか。
教育の世界でも、そのようにして、尊敬を集めている魅力的な方が数多くいらっしゃいました。
◎スポーツの世界で、優勝したチームや選手のインタビューには、興味深いものがあります。優勝を手にするためには、信念を持って、努力を継続することが欠かせません。その信念とは何だったのか?インタビューのコメントには、その姿が垣間見ることが出来ます。
「声援と勇気を与えてくださったファンの皆様のお蔭です」
「自分を支えてくれた家族のお蔭です」
「○○界の発展のため」等々、自分のためではなく、誰かのため、何かの発展のため、という貢献・奉仕の価値観があることが伝わってきます。
「積小為大」を成し遂げる原動力は、“誰かのため”なのではないでしょうか。