体育授業ー10(低学年)集団行動の指導
◆体育授業には、教室のような自席はありません。運動場にしても、体育館にしても、子どもたちにとっては、魅力的な空間が広がっています。とてもじっとなどしていられません。
そこで、体育授業の学習効率を高めるために、基本的な集団行動様式を学習します。
集団行動というと、やらされている、強制的に動くというイメージがあるかも知れません。きっと、一斉に同じ行動をさせる場面が多いからでしょう。
かつて、整列し、四列縦隊で行進するドリル行進と呼ばれる行動様式を指導したことがあります。これは、運動会でその成果を発表するひとつの目玉種目になっていました。この指導には、曲や笛に合わせて、正しく、素早く動くことを教え込む場面が多々ありました。
しかし、授業の中で私が指導していた集団行動は、ゲーム感覚です。笛とハンドサインで子どもたちが元気に返事をしながらいろいろな隊形を作るのです。中でも、効率的だった隊形は見学隊形と命名した隊形です。これは、三列横隊で、一列目は、体育座り、二列目は中腰、三列目は起立、という隊形です。子どもたちは、身長順に並んでおり、年間通して自分の位置を決めておきます。この隊形は、修学旅行などの校外学習の際に、記念写真を撮影する時にとても重宝しました。
瞬時に、この隊形をとるとそのまま、記念写真が撮影できる隊形に早変わりするのです。ですから記念写真隊形と呼ぶこともありました。
学年で、共通して学習した時には、学年で記念写真を撮影する際にも役立ったのを覚えています。
私は、高学年を担任することが多かったので、この隊形移動を使用すると、低学年の担任の先生方からは「低学年には難しいです」というご指摘をいただきました。
しかし、実際に私が1年生を担任し、指導してみると、低学年の子どもたちでも、ゲーム感覚で、すぐに習得することができました。
この隊形移動は、授業の中で数回合図するのですが、笛とホイッスルの合図に対して、「はい」という返事をして、了解のサインを出してから移動させると、学習に勢いが出て来ます。
論より証拠です。ぜひ、試していただきたいと思います。集団行動は、「みんなで心を合わせる楽しさ」を味わわせるには絶好の教材となります。
☆集団行動は、体育授業の学習効率を高めるだけではありません。
子どもたちに心を合わせる楽しさを存分に味わわせることができる教材です!
※No.108から低学年の体育授業について語らせていただきました。次回の体育授業からは中学年の体育授業について語らせていただきます。興味・関心のある方は、ぜひ、ご一読ください。