体育授業ー11(中学年)中学年の体育授業
◎低学年の体育授業をNo.108の体育授業ー3から体育授業-10まで書かせていただきました。
体育授業ー11からは中学年の体育授業について書かせていただきます。
◆中学年の子どもたちは、その発達段階から考えても、バランスや体を調整する力が最も伸ばせる時期です。そのことは、古くからスキャモンの発達曲線からも言い尽くされていることです。
6年生で逆上がりができない子どもの指導にかけた労力の十分の一ほどの労力で、グングンと技や動きを習得していく子どもたちを見ていると「鉄は熱いうちに打て」という諺の意味が分かったような気になります。
特に鉄棒運動の動きは、曲芸師のような技や動きを楽しそうに習得してくれました。体が軽い上に、逆さや回転の感覚をすぐに身に付けてしまうのです。こう考えると、小学生で学習する鉄棒運動は、中学年に集中させてしまった方がよいのではないかと考えてしまいます。
子どもたちの発達段階にあった指導は、理に適った学習が効率的に行われることにつながるはずです。
また、中学年では、今まで個人のことしか考えられなかった子どもたちの世界が複数の人数によるチームという世界へ広がる時です。この世界の広がりが、時として、今まで見られなかった友達とのトラブルを連発させます。俗にいうギャングエイジです。
ですからこの時期は、チームとしての動き方や心の合わせ方をしっかりと学習させることが重要です。「トラブルが多い」と嘆き、叱責を繰り返すだけではいけません。子どもたちが、友達との関わり方を本格的に学習する発達段階に入ったことを喜び、一つひとつのトラブルを生きた教材として指導できる絶好のチャンス到来!と前向きに捉えましょう。
中学年のゲーム教材は、仲間とのトラブルで始まり、単元の最後には、団結で結びます。これは、理屈を越えたドラマティックなもので、何度経験しても、胸が熱くなります。