学校教育ー33 握手・挨拶・返事
◆最近の子どもたちはハイタッチは違和感なくすぐにできます。しかし、握手の仕方を知らない子どもたちが増えている印象を持ちます。
私が右手を差し出すと左手を出したり、手の甲を出したりする子どもが相当数います。教師の私とでさえこの調子ですから、子どもたち同士で握手をすることなど皆無と言ってよいでしょう。
これは、挨拶にしても同様です。「おはようございます」と挨拶をしてもどのように返事をしてよいのか分からないのです。分からないから下を向いて、すごすごと通り過ぎていくのではないでしょうか。今の子どもたちが、挨拶を交わせないのは挨拶の仕方を知らないからなのです。
学校から家に帰った時に「お帰り」と挨拶した高学年の子どもがいた時は、ビックリしました。本人は至って真剣そのものです。
返事はどうでしょうか。自分の名前を呼ばれても無言で視線を送る子どもたち。これは、日頃から返事をする習慣が子どもたちに身に付いていないからではないでしょうか。
この時、教師は「この子たちは、返事も挨拶もできない」と嘆く前に、返事の仕方、挨拶の仕方を丁寧に指導してあげればよいのです。子どもたちが知らないことを正しく教え、できるようにすることこそが教育という営みです。
他人と気持ち良くコミュニケーションを深めるために返事、挨拶、握手はとても有効です。しかも、国を越えてコミュニケーションを図る行動様式とも言えます。本来なら、学校へ入学する前に家庭教育の場でしっかりと身に付けておいてほしいことです。
身に付いていない子どもには、保護者の方と連携しながら丁寧に、繰り返し、指導していきたいですね。