校長は相手の立場になって 「教育は愛」No.33

管理職

管理職ー3 校長は常に相手の立場になって考えることです

◆校長になると、時として教職員に厳しいことを指示しなくてはならない時もあります。

 また、物事を判断する際には、事前に情報収集をしておかなくてはなりません。

 体調を崩しそうな職員のケアも重要な仕事です。予算や施設のことも考えなくてはなりません。

 やらなければならないことは星の数ほどあります。

 そんな校長の姿を教職員はじっと観察しています。このプレッシャーの中、校長はどのように立ち居振舞えばよいのでしょうか?

 教職員にとってみれば、私が初めての校長ではありません。色々な校長を見て、自然と優劣をつけています。ですから、妙な気負いは捨てて、自分らしく校長職を務めることと開き直りました。

 校長のタイプとして、微に入り細に入り、全てを掌握しなくては気が済まない人がいます。これはNGでしょう。そもそも、学校で起こっていることを全て把握することなどできる訳がないのです。

 それでも「自分が校長で、判断するのは当然。責任を取らされるのは自分だから。」と理屈をつける人がいます。これでは、教職員の方が辟易してしまいます。

 大人なのですから、ある程度任せてもらっているという意識がなければ、教職員はいい仕事などできる訳がありません。

 こんな話があります。ある校長がいつものように細かい指示をして、夜中になってしまいました。皆、体力の限界に来ています。この時、この校長は買い物に行き、夜食を人数分買って来たのです。「疲れたでしょう。みんな食べてください」校長本人は良かれと思ってした心遣いだと思います。

 しかし、夜食を与えられた教職員は「まだまだ帰れない・・」と絶望感に見舞われたそうです。教職員が望んでいたことは「お疲れ様、今日はこの辺にして明日また頑張ろう。」の一言だったのです。

 また、校長が出勤する前に天候が荒れ、行事用に立てておいたテントが吹き飛びそうになったため、早くから出勤していた教職員が気を利かせてテントを収納しました。当然のことだと思います。

 ところが、いつも通り、勤務時間ちょっと前に出勤してきた校長は、烈火の如く怒り出したのです。「テントをしまう判断をするのは、校長である私だけだ。誰がテントをしまった!」

 これには、職員室の一同が呆然としました。この校長は一事が万事この調子だったので、教職員は自主性を発揮できず、常に校長の顔色を窺うようになっていたのは言うまでもありません。

 校長は、教職員から選ばれた人ではありません。

 教育委員会から任命され、ある程度の決裁権を任されて学校に着任するのです。

 それなのに、与えられたちっぽけな権力をひけらかすようにして、ワンマンぶりを発揮しようとするのはいかがなものでしょうか。

 例え、任命されて校長職に就いているとは言え、日頃の仕事ぶりや立ち居振る舞いから、尊敬の念を多少たりとも抱かれるような存在でありたいものです。

 そのためには、常に相手の立場に立って考えることです。

 特に校長になると、職員一人ひとりのプライベートな事情まで職務上把握しています。職員が、どのような状況や思いで仕事をしているか、推し測って言葉を掛けることができるはずです。

 校長になったら謙虚さとひたむきな努力を今まで以上に自分に課し、教職員が働きやすい職場を作り上げたいものです。

 お酒の席で、「あの校長はひどかったなぁ。」と、いつまでも酒の肴になるようなことがないように・・・

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