職場で信頼される人 「教育は愛」No.37

人間学

職場-5 職場で信頼される人になるために

◆職場で信頼される人はどのような人でしょうか。ポストや役職にかかわらず、上司からも部下からも信頼される人に共通していることはどのようなことでしょうか。

 職場は、人間関係や人生観を学べる大切な学習の場です。その職場で信頼されるように自身を成長させ、後輩を育てていくことはとても大切なことだと思います。生涯学習のひとつと言えるかも知れません。

 職場は、様々な人生観や仕事観をもった人たちが集まっています。そこでは、自分の価値観と完全に合致する人は皆無と言ってよいでしょう。価値観の違う人たちが、組織の掲げる目標を協力しながら達成していくのが職場です。

 職場には、組織の目標の達成だけでなく、構成員一人ひとりの自己実現の場でもあります。出世したい、独立したい、高収入を得たい・・・など、組織を通して自分の幸せを掴もうとすることは至極当たり前のことです。

 このように個人の利益が見え隠れして来ると、純粋に組織の目標を達成するだけでなく、他人よりも上のポストを狙ったり、仲間の足を引っ張ったりする力が働いてくるものです。

 職場には明るい部分だけではなく、ダークな部分も存在する場合があります。

 そのような中で、職場で信頼される人とはどういう人なのでしょうか。私が出逢った信頼を集めていた方々に共通することは次のようなことでした。

 一つは、自分のことは後回しにして、仲間を守ることを第一優先にして、行動できる人です。言うのは簡単ですが、これができる人には、なかなかお目に掛かれません。いざ、責任を取る段になると言葉を濁してしまい、自分のことを優先させてしまうものです。

 もう一つは、逃げないことです。トラブルに遭遇し、苦境に立たされると人間のする行動は2つです。諦めて逃げるか、諦めずに立ち向かっていくかです。

 調子のよい時は、迎合し盛んに自己アピールしているのに、ちょっと風向きが怪しくなると早々と姿を眩ます人は、まず信頼されません。

 逆に普段、朴訥として目立たないのに、危機に直面すると自分のできることを黙々と努力して起死回生のきっかけを作る人がいます。

 しかも、この人のお蔭で危機を脱しても、決して表に出ようとしない人は、職場の誰からも信頼されます。

 そして、最後に人の所為にしないということです。

 「失敗したのは、あいつがきちんとやらなかった所為だ」と声高に他人の所為にする人は、自分軸を持てません。例え、部下の所為だったとしても、自分の責任だと言い切れる上司は、部下からの信頼を集めます。

 イメージとしては、昭和の名優、石原裕次郎さんや高倉健さんが過去に演じてきた主人公に通じるものがある人ではないでしょうか。

 こうして、整理してみると当たり前のようなことばかりかも知れません。

 しかし、この当たり前のことを行える方と出逢うのはなかなか難しいのです。私は、過去にこのような方とは数える程しか出逢っていません。

 では、自分自身は? ・・・ できる限りそのような方々に近づきたいと胸の中で反芻しています。

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