研究会で質問が出ない 「教育は愛」No.40

学校教育

学校教育ー14 研究協議会で質問が出ない理由

◆教師なら定期的に研究授業をする機会に恵まれるはずです。自分で立てた仮説を検証するために、計画した授業を提案します。その後、参会した教師たちと一緒に、研究協議会を開いて、授業の効果等を検証するのが一般的です。

 さて、時として研究協議会が盛り上がりに欠ける場合があります。参会者からの意見が極めて少ないのです。私もこのような状況の研究協議会に何回か出くわしました。そして、質問や意見が出てこない理由について分かったことを次のように整理してみました。

 ひとつは、提案された研究授業が圧倒的に素晴らしいものだった場合です。

 教師は、他人の授業を参観する時、少なからず自分の授業と比較しながら見ているものです。

 そして、「自分ならこうする」という参観授業の改善点をメモして研究協議会に臨むのです。

 しかし、到底今の自分ではまねのできない授業、感動と感心しか見当たらない授業を見ると聞きたいことはただひとつです。「どうすれば、先生のような授業ができるようになるのですか?」

 二つ目として、授業者が研究協議会でこれでもか、と言わんばかりに説明や弁解を喋りまくっている場合です。

 しかも、上から目線の講義調になると、参加している教師は、協議する意欲を失ってしまいます。

 研究協議会で一言、異を唱えるような発言をすれば、何十倍にもなって返されるのが予想できてしまうのです。これでは、最早、協議は成立しません。

 三つ目として、「仮設→研究授業→検証」という一連の流れの中で研究授業を組み立て、展開されるものですが、必然性を感じられない場合です。

 しかも、研究協議会では、授業者の説明は大変抽象的で、的を射ない。このような場合、公開される研究授業の質も低く、参観した教師は、心の中で「今日の研究授業はハズレだった」と呟いています。

 研究協議会を活性化させるためには、研究内容が具体的で分かりやすいこと、授業者が謙虚な姿勢で臨むことの2点が大事なのではないでしょうか。

 また、これは余談になりますが、研究協議会をぶち壊すタイプの教師は、自分が知っていることを、一から十まで説明しないと気が済まないタイプの教師と、話し始めると場の空気を読まずにひたすら時間を忘れて話し続けるタイプの教師です。

 こういうタイプの教師は、研究協議会だけでなく、日頃の授業も説明ばかりで子どもたちの学びが少ない授業を展開したり、職員会議で的外れの意見を蕩々と述べたりしていることが多いようです。

 「話すこと」(話術)は、教師の商売道具です。教師は、自分が話したいことや知っていること、思っていることを1~3割程度に抑えることを習慣としていれば、丁度よい塩梅になるのかも知れません。

 

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