仲間と一緒に学ぶ  「教育は愛」No.48

学校教育

学校教育ー18 一人で学ぶより仲間と一緒に学ぶ

◆教師は、教育委員会や学校で実施する研修以外に、自発的に集い、授業や教育全般について勉強する研究会(サークル活動)等で学んでいる者も少なくありません。

 規模は様々ですが、大きい組織になると全国的な研究会や県全域に範囲が及ぶものもあります。

 小さな組織では、近隣の学校の先生方が気軽に集うもの、校内の有志で集うものなど様々です。

 やはり、一人で学ぶよりも仲間と一緒に学んだ方が勉強になるのは明らかです。

 私が特別支援学校から小学校へ異動した時、教科教育については一から始めなくてはならない状況でした。大学で一応の理論は学び、教育実習も経験していましたが、現場では国語、算数、社会、理科、音楽や家庭科まで、一気に肩に重くのしかかってきました。

 私は、毎日、明日の授業で行う教科書や指導書を家に持ち帰り、家でも教材研究をする四苦八苦ぶり。それを見かねた教務主任が「千葉先生は、体育主任になったのだから、体育だけ教材研究しなさい。体育を真剣に学べば、教科教育の仕組みも理解でき、他の教科の指導にも役立つはずですから」とアドバイスしてくださったのは、本当に有り難かったです。

 丁度この頃、市の教育委員会の先生から市内で自主的に勉強している体育サークルへの入会を誘われました。

 渡りに船の心境で、この体育サークルの門を叩きました。

 サークルは毎月1回、土曜日の午後に会員の体育授業のVTRを視聴し、協議します。

 そして、最後に会長から指導・講評を戴くというスタイルでした。そして、その後は懇親会です。夜遅くまで体育授業について議論を交わしたものです。

 最初、会員の皆さんのレベルが高すぎて、話に付いていけなかった私でしたが、会長から紹介された文献を神田の本屋まで行き、大量に買い込んでは、貪欲に勉強していくうちに、何となく話に付いていけるようになりました。

 そして、先輩方の月1回の提案資料を参考にしながら作り上げ、会で提案し、忌憚のないご指導を戴いたものです。この時、実践をまとめて、発表することの楽しさ、やり甲斐を実感しました。

 また、会の先輩の教室を訪ねて、学級の掲示物や学級通信を拝見し、写真に撮らせていただき、自分の学級にも反映しました。皆、先輩のまねからのスタートでした。

 子どもたちの顔写真の入った出席札や漢字練習コーナー、作品の展示コーナー等々、糸鋸やボンド、ペンキを使って放課後に作成したものです。

 この頃、小学校の体育授業と学級経営の楽しさや奥深さを感じ、トライ・アンド・エラーを繰り返しながら、仕事に打ち込むことができました。毎日がとても新鮮でした。

 当時の私の体育科教育研究は、大変稚拙で独り善がりの面も多々ありましたが、県や市が主催する研究授業を積極的に受け、市の研究論文や県の研究論文にも奮って応募しました。

 やがて、文部省(現 文部科学省)の研究奨励費を頂戴する研究の選考にもパスし、取り組むことができました。

 そうこうしている内に、研究物の体裁や内容もそれなりに整ってきて、体育科教育研究のコツらしきものも見えてきたように感じました。

 市のサークルや県の体育関係者からも一目置かれ始めたのがこの頃でした。

 これも、体育サークルで当時の私のロールモデルとなる先輩方、競い合うように実践を切磋琢磨し合った仲間がいたお蔭です。

 一人では、とても味わえなかった境地でした。

 「まず実践すること、実践したら必ずまとめて、他人に見ていただき、アドバイスをいただくこと」サークルで先輩方から頂いた助言です。

 この助言が、私の研究スタンスとなり、現在にも続いています。本ブログの掲載もこの手法のひとつが発展したものです。

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