管理職ー5 校長として守る3つの信条
◆管理職の辞令をいただいた途端に、人、物、予算を管理しようと必要以上に気負う人がいます。
勢いそのままに職員会議で上から目線丸出しで訓話をしてしまいます。結果、職員の心は早くも離れ、気が付くと「笛吹けど踊らず」の状態に。
やがて、話す相手もいなくなり、職員の中で孤立無援の状態に陥ることも・・・
なぜ、このような状況に陥ってしまうのでしょうか?!
管理職になって、しみじみ思うことは人から頭を下げられることよりも人に対して頭を下げることの方が圧倒的に多いということです。校長だからと言って、ふんぞり返って指示を出すことで仕事ができるほど甘くはありません。
ですから、管理職になったら、いや、なる前から自分の心を管理する覚悟と具体的な方法を身に付けることが望ましいでしょう。
具体的な方法とは、人様々でしょうが、私は師から学び、書物から学び、歴史から学んでいます。その中で私の管理職としての守る信条は、次の3つです。
◎ひとつは、感謝の気持ちを常に持ち続けることです。
保護者や地域の方はもちろんのこと子どもたちや所属職員に対しても感謝の気持ちを持つことです。
そして、「有り難うございます」の言葉を職場に溢れさせるよう努めています。
そうすれば、次第に職場の雰囲気は肯定的なものとなり、あたたかいチームワークがはぐくまれると信じているからです。
◎もうひとつは、何があっても逃げないことです。
特に面倒くさいと思うことや厄介な人からは、逃げてはいけません。校長が逃げれば職場の士気は下がります。豊臣家と徳川家の戦いで、秀頼が大阪城から逃げてしまった時が、よい教訓です。
例え、自分たちの思い通りにならなくても踏み止まって奮迅人していれば「逃げなかったこと」の一事は教職員から認められ、学校のチームワーク向上に結びつくはずです。
◎3つめは、仲間を守り通すことです。
組織の誰かが失敗すると、自分の行いを棚に上げ、徹底的に職員の所為にする管理職がいます。組織のリーダーたる者、誰が失敗しても全て自分の責任である、と肚をくくらなくてはなりません。
「電信柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも全て自分の責任だ」これは、ある経営者に関する書物で読んだ一節ですが、私の大好きな言葉です。管理職の覚悟にピッタリとくるからです。
このように管理職として、自分が守りたいと心に決めた「信条」を打ち立て、自分の心を管理することが学校のリーダーとして仕事をする校長の芯になると考えています。
私は、これら3つの信条を守り「明日の自分に恥じない今日を生きる」ことを自らに言い聞かせながら管理職としての生き方を貫いてきました。