コラムー11 権力が大好きな厄介な人
「先輩、このプレゼンのやり方を教えていただきたいのですが。」先輩がその気になって話し始めると、丁度通りかかった係長。すると先輩を置き去りにして「係長、このプレゼンの方法ですが・・・」と話し始めます。係長が助言しようとした時に今度は課長が通りかかります。すると「課長、このプレゼンですが・・・」
この様子に呆れると同時に助言しようとした自分を哀れんでしまいます。このように権力が大好きな人は、どこの職場にも数人はいらっしゃるのではないでしょうか。
このような厄介な人には、明らかに共通する要素が何点か見受けられます。
一つは、本人がとても強い上昇志向を持っていることです。ですから、自分が直接話す機会を、より職位の高い人へと狙っていきます。そして、権力の頂点に座る人だけを押さえておけば、その途中の人は、どうでもいいと思っているのではないでしょうか。
二つめは、言葉が巧みで話術も上手ということです。敬語を巧みに使いこなし、上司が気に入るワードを並べ立てることができます。
三つめは、上司と部下に対する言葉遣いや態度が180°異なることです。
「これが同じ人物の言葉なのだろうか?」と我が目、我が耳を疑ってしまうほどです。この人の考えていることが如実に表れている一面と言えるでしょう。
しかし、このような厄介な人が、出世階段を登り続け、ある程度の権力を手にすることもよくある話です。そして、権力を手にすると自分の好き嫌いで物事を運ぶようになり、この人に媚び諂う茶坊主集団も出現するようになります。
では、このような人たちとのお付き合いはどのようにしたらよいのでしょうか?
まずは、ご自分のライフプランと相談してみることです。権力が大好きで、自分も権力を手にしたいのなら、このような人と同じ職場になった場合には、ご機嫌をとって上手にお付き合いをすることも生き方のひとつだと思います。
しかし、このような人が集う人脈グループは烏合の衆です。
いざという時に頼りにならない人が多いということには注意が必要だと思います。
◆権力や肩書は、人生の中では、ほんの一時的なものです。豊かな人生を送ろうと考えるのであれば、自分自身の能力を高め、自分の心が喜ぶことに精を出した方が賢明ではないでしょうか。
一度きりの人生です。できるだけ涼やかに生きていきたいもの。
そのためには、自分のしていることが、少しでも他人や社会のお役に立ち、自分の心が納得できるような生き方をしていきたいものです。
「人生二度なし」