学校教育ー25 学習習慣の確立
◆学校教育は、始業から終業まで時間が設定されている有限の時間を活用しての教育活動となります。各教科でいろいろなことを子どもたちに指導しますが、授業時間の中で完結するものばかりではありません。
なわとびはその好例です。多様な技を授業の中で紹介、指導はしてもその技を身に付けるようになるには、授業以外の場で練習を繰り返す必要があります。
算数の計算も同様です。計算ドリルに代表されるようなドリル学習が必須です。
このように考えた時、家庭での時間を活用させる指導が必要となります。家庭での学習習慣の確立です。
このことに気付いたのは、担任時代の最終段階でした。家庭学習を習慣とするために「学習習慣ファイル」というシートを作成しました。このシートには、1週間分の家庭学習計画が記入できるようになっています。共通した宿題の他に、自分で必要と感じる内容を日々の家庭学習に計画させるのです。
そして、1週間終えたところで、振り返り、次週への目標等についても考えられるようにしました。さらに、ご家族を巻き込んで家庭学習の学習習慣を確立させるために、ご家族のコメントも書き込んでいただくようにしました。
保護者の方から協力をいただくようになると効果は加速します。
また、家庭での学習習慣づくりなので、夕食、入浴、テレビ、団らんなどの時間設定は、子どもたちの家庭学習時間を設定する上で大きく影響してきます。生活習慣は、家庭での生活丸ごとが関係してくるのです。
また、学校でいかに教材研究をして、授業を展開したところで、その学習内容を定着させるためには、家庭での学習が欠かせません。習熟するための繰り返しが必要になるのです。
授業だけで内容を理解し、十分な習熟なしに発展させることは至難の業です。
この根本原理を教師は忘れがちです。
授業力を向上させるため、教材研究に時間をとり、子どもたちが夢中になれるような授業を工夫・改善しています。
その結果として、子どもたちが、学習内容に大きな魅力を感じ、自ら進んで学習を深められるようになれば大したものです。
ですから、教師は授業として完結させる部分と、学習内容を習熟させ、発展させるための家庭学習と区別しながら学習計画を立案し、授業に臨めるようになるとよいのではないでしょうか。
教師は、学校だけの学習ばかりを視野に入れて考えるのではなく、子どもの一日の生活を視野に入れて、子どもたちの学びを創造していくことが必要だと考えます。
授業の計画を記す学習指導案にも、家庭での学習について記載できるようになると子ども目線の授業や子どもの学びの確立に近づけると考えます。家庭学習のことについて記された学習指導案は未だに拝見したことはありません。
子どもの真の学びを考えた時、学校から離れても学び続けることを意識することです。
その一歩として、家庭学習習慣の確立は有効なのではないでしょうか。