学校教育ー26 初任者研修について思うこと
◆教師は採用されて1年間は、条件付き採用期間となります。初任者研修を受けながら、教師として必要な能力や資質を磨き、1年間の研修期間を経て、問題なしとなれば、条件は取り外され、本採用教師となります。初任者の教師は、授業に、生徒指導に、初任者研修に、奮闘の毎日を送っています。
そんな初任者の教師の様子を見ていて、初任者研修の在り方について思うことがあります。
自治体によって、行い方には多少の違いはあると思いますが、初任者研修は、教育委員会が招集し、指導主事等が指導する研修と校内で行われる研修の2種類に分けられます。
教育委員会では、服務や法規など、教師として知らなくてはならないことを網羅して指導を受けます。校内では、研究授業を定期的に行い、教育の実践について、担当の指導教員を中心にアドバイスを受けられるという、手厚い内容です。
校内での研修では、各教科の学習指導案を立て、研究授業をします。初任者は、担任を持ちながら四苦八苦してこの研究授業に臨んでいます。
授業研究については、今後もずっと続いていくものです。しかも、形式を優先した研究授業を繰り返したところで、そうそう簡単に授業力を向上できるものではありません。
それより、初任者には、まず、社会人としての常識、礼節、報告・連絡・相談等についてしっかりと学んでいただきたいと思います。そして、子どもたちとの接し方、特に生徒指導の能力について学んでいただきたいと思います。
実際に教師という仕事をする上で重要となるのが、社会人としての自覚と子どもたちをリードすることができるリーダーシップです。
授業力は、学級が落ち着いてくれば、自然と高まってくるものです。国が検定した教科書もあるのです。大学まで卒業している学力を有しているのですから、教科書があれば、基本的な内容については、しっかりとカバーできるはずです。
ただし、子どもたちが興味深く、夢中になって学べるような質の高い授業を行うには、今後、限りない研修が必要となります。
初任者研修の内容や行い方は、長い年月を経て、精錬されてきました。ただし、あまりにきれいに精錬されているために、形骸化してしまい、実践能力に欠けているように感じているのは私だけでしょうか?
子どもたちの心を掴み、信頼関係を構築する心の姿勢、言葉掛けの具体、立ち居振る舞いの方法など、もっと実践的な内容をルーキーの教師に指導していくような初任者研修が求められていると思うのですが、いかがでしょうか?