校長は姿を見せ続けること 「教育は愛」No.76

管理職

管理職ー7 校長は姿を見せ続けることが大切

◆校長になると子どもたちの登校時に正門に立ち、挨拶運動をしている姿をよく見かけます。

 私が初めて校長に就任した時も、前任の校長がそうしていたから、という理由で疑いもなく正門に立ちました。しかし、1か月もすると私の中で疑問が頭をもたげました。

 この姿は、待ちの姿勢であり、消極的な働きかけでしかない。もっと多くの人と連携する姿勢を校長自らが示していきたい!

 校長は、校長室に閉じこもって仕事をしている印象を世間の方は持っていらっしゃるようです。

 その意識を払しょくし、開かれた学校を校長自らが示すためにも、私は校外へ出ることを実践してみました。

 1校目の学校では、自転車にまたがり、学区内を巡り、子どもたちに挨拶をしながら交通安全を呼びかけ、朝の見守り活動をしてくださっている保護者や地域の皆様にご挨拶して回りました。

 正門の挨拶運動は、生徒指導主任と委員会の子どもたちに委ねました。

 この学区巡りにより、どなたが、どこで、見守りをしてくださっているのか、お顔とお名前を一致させることができました。また、学校の様子について、情報提供させていただいたり地域の情報等を教えていただいたりすることができました。この情報交換は、学校を経営する校長にとって、とても有り難いものでした。

 また、子どもたちの実際の登校の様子を見られることも安全指導を進める上で、大変役立ちました。校長には、外部の方から、子どもたちの登校の様子を時として、苦情という形でいただくことがあります。道幅いっぱいに広がっている、おしゃべりしながら登校しているなどの情報(苦情)です。

 そして、学区を巡ることは、地図の上だけでなく、実際の道路や建物、子どもたちが普段遊んでいる公園などを頭に入れる絶好の機会ともなりました。

 このように、校長が学区を巡る行動は、保護者や地域の皆様からすると、とても珍しく映るらしく、数多くの労いのお言葉を頂戴しました。

 現在勤務している学校でも、7時30分に正門を出て、学区を巡っています。徒歩で巡り、子どもたちだけでなく、道でお会いする全ての方々に自分から挨拶をするようにしました。

 そして、交通指導員さんや見守りボランティアの皆様にご挨拶しながら、学校前まで戻ってきます。これで約3kmです。丁度良いウオーキングともなり、自身の健康の維持向上にも役立っています。

 また、晴雨の天候に関係なく、毎朝継続することにより、信頼感を得ていることを肌で感じています。地域の方と挨拶を交わしているうちに、いつしか顔なじみとなり、散歩している犬とも仲良くなりました。こうなってくると、学区巡りは、とても楽しいコミュニケーションの時間となります。

 しかも、子どもたちの様子や卒業生の様子も分かり、地域で行っている工事の様子などもリアルで分かるようになり、学校を経営する上で役立つ様々な情報を得ることができています。

 はじめは、私のことを校長だと分からなかった方も、次第に噂は広がるものです。「校長先生が毎朝、学区を歩いて見守り活動をしている」と地域の方々からも労いのお言葉をいただくようになりました。有り難いことです。

 校長が、地域に姿を見せることは、開かれた学校づくりには、有効であると実感しています。

 

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