職場ー16 礼節ある職場の働きやすさ
◆ベテラン教師の孤独については、人生訓-1で述べさせていただきました。コロナ禍による懇親会等の消失、コミュニケーションの不足は、職場の雰囲気にも少なからず影響していると思います。
職場は仕事をする処です。大学のサークルのような乗りで仕事できる程甘くない場所です。
子どものことだけでなく、保護者対応や、危機管理等、一人では抱えきれない程のシビアな内容も数多くあります。その中で、教職員が支え合いながら仕事を進めるには、職場の中に謙虚さと礼節、秩序ある行動は欠かせないものだと考えます。
学校は鍋蓋組織なので、学年では主任はいるものの色濃い同僚感覚があります。この感覚がうまい具合に好転していけば、それなりに強いチームワークが生まれます。
しかし、その逆もあります。学年の懇親会でも、完全な無礼講になるのは考えモノです。サークルではないのです。仕事をするために集まり、発生したチームなのです。そのことを忘れてはならないと思います。
まずは、一人ひとりがプロなのです。子どもたちに教育をすることにより、給料をいただいているのです。そのプロが集まって、学年や学校というチームで働いているのです。
気持ち良く働くためには、各々のキャリアに応じた役割があります。ベテランは様々なところで若手のフォローをしているものです。若手は、先輩に教えていただきながら自分の教育スタイルを練り上げていきます。
ここでポイントとなるのは、ベテランに若手を指導できる力量があるか、若手は先輩の教えを受け、仕事に生かそうとする謙虚さを持ち合わせているか、ということです。
あるベテランの教員は、懇切丁寧に若手の教員にアドバイスし、勤務時間を過ぎても根気強くフォローしていました。あとは、若手のやる気とアドバイスの消化吸収能力です。
しかし、若手教員は、自分で行わなくてはならないことまでベテランにフォローを求めてしまいます。ベテラン教員は呆れてしまいました。
「あの先生(若い先生)だって給料いただいているのですから、自分で考えてもらいたいものです」
このように、自分でやらねばならないことまで誰かがやってくれるのが当たり前と勘違いしていると真のチームワークは生まれません。
また、体調不調を理由に簡単に権利の如く年休を取得しようとする教員がいます。ご自身の体調不調やご家族の体調不調等により年休を取得することは大切なことであり、尊重しなければならないことだと考えています。
しかし、年休を取得する際に、自分の授業について振替を後日申し出る、自習計画の概要だけでも学年の仲間に伝える、このような責任感は持ってほしいものです。
謙虚さと礼節がある組織には秩序が生まれます。
秩序ある組織は、外部の人から見ると美しく、信頼されます。
そして、教職員も働きやすい職場となります。
このことは、学校だけではないと思います。全ての職場で共通することではないでしょうか。