管理職ー11~がないとできないという人は~があってもできない人です
◆管理職の中でも「○○がないとできない」という人は意外と多いものです。
しかし、実際には、「○○がないとできない」と言う人の多くは、「○○を手にしてもできない」場合が多いのです。
要は、そういう人は、根本的にやる気がないのです。
私は、校長時代に来年度の校内人事の概要は、前年の12月までに発表することにしています。そうすることにより、3学期は、現在の学年のまとめと同時に来年度の準備を進めることができるのです。
4月になると、人事異動も学校内は、てんやわんやの状況になります。その中で、十分な引き継ぎや新しく担任する子どもたちの様々な情報を整理するのは至難の業です。
しかし、前年の12月頃から取り組んでいれば、計画的に来年度の準備を進められるものです。教師は、時間さえあれば、計画的に、着実に、準備を進めることを得意としていますから。
さて、私の校内人事のやり方を聞き、すぐに取り組もうとする前向きな校長もいる一方で、「来年度の人事が分からない内は、校内人事は組めません」と否定的な校長もいます。
一事が万事です。このような否定的な校長は何に取り組んでも後手、後手に回る傾向があるようです。
人事が最終的に決定するのは、3月中旬以降です。4月の新学期まで数日しかありません。やらなくてはならないことも盛りだくさんでとても人事だけに集中することなどできません。当然、ケアレスミスが発生する確率も上がります。
事実、私が仕えた校長は3月31日に4月1日の校内人事案を教頭の私に託して退職されました。人事案には、同じ教員が複数の学年に名を連ねていました。当然、当人たちの了承も得ていません。
案の定、4月1日はスムーズなスタートとはなりませんでした。教頭の私に、泣いて相談する教員も出てきました。
また。教育委員会時代も「予算さえあればできるのに」と言い訳する人が数多くいました。その人達も同様です。この人達に予算を配当したところで、積極的に事業を展開することは100%しないでしょう。つまり、できないことの理由を見つけることにいつも熱心で、現状を打開することから逃げているのです。
学校も教育委員会も、民間企業とは異なり、利益を上げなくても存続できる組織です。
そのため、前年踏襲を繰り返していれば、可も無く不可も無く、時は過ぎていきます。
そういう生活を繰り返している内に、新しいことにチャレンジしていこうとする気概が薄れてきてしまうのかも知れません。
令和の時代に入り、子どもたちは、一人一台のタブレットPCを手にしています。今までの教育とは全く異なるような指導方法、学習方法が求められているのです。
その中で、「不易と流行」を踏まえて、新しいことにチャレンジできる教師が求められているのです。
ですから、学校の管理職には、今までよりも柔軟性をもった思考力を養い、○○がなくてもできる方法を創意工夫の中から生み出していける教師の育成が求められているのではないでしょうか。