『少年と犬』を読んで 「教育は愛」No.250

生涯学習

生涯学習ー17 『少年と犬』を読んで

◆この春、封切りされる映画「少年と犬」の原作本を購入し、一話ずつ、丁寧に読ませていただきました。「涙がとまらなくなる直木賞受賞作」という宣伝通り、涙が止まりませんでした。原作者、馳 星周氏に心からの敬意を表します。

 物語には、人の心を察することができる犬が登場します。子犬の頃に心を通わせた子どもと震災を機に離ればなれになってしまい、その子を探して旅する中で心に傷を持った様々な人たちの心を癒やしてくれる優しい犬の物語です。

 人は、表面では分からない心の闇や苦しみを持って、懸命に生きているものではないでしょうか。その苦しみを相談できる人がいる場合は幸せです。

 しかし、相談したとしても必ずしも、その心の闇を100%理解してもらうことなど不可能なのではないでしょうか。最終的には、自分自身で闇を背負い、苦しみながら、進んでいくしかないのです。

 そのような中で、言葉は交わせなくても、動物と心が通じ合うような経験をしたことがある人は沢山いると思います。

 動物のつぶらな瞳から、自分への慰めや労りのメッセージを受け取ることもあるのではないでしょうか。

 今回の物語からは、その様子がありありと、馳氏の叙情的な表現で綴られていて、犬の姿と登場人物の心の絆に胸が熱くなってしまいます。

 今週は仕事上で、やや疲れを感じる1週間でした。

 帰宅後、『少年と犬』のラスト2話を読み、感動を覚え、作品中のシェパードと和犬の雑種、多聞の姿を思い浮かべ、自分の心までも癒やしていただいた思いになりました。

 涙をぬぐい、寝室へ行くと、愛猫、菜々さんが私のベッドの上で丸くなっています。最近、自分の寝床で眠ることが多かった菜々さん。しかし、不思議なもので、私の体調が優れない時や、嫌なことがあった時には、さり気なく側に寄り添ってくれるのです。

まるで、私の心の中が分かるように・・・。   大切な家族です。

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