職場ー52 いい加減
◆真面目なことはいいことです。しかし、度が過ぎると本人も周囲も辛くなるものです。仕事は、どんなに注意を払っていても、行程のどこかで上手くいかなくなることは日常茶飯事です。それが仕事なのです。
自分の思った通りに仕事が運べば、気分もスッキリして達成感に満ちあふれるものです。
しかし、そのようなケースは極、稀なことです。大抵の仕事は、複数の人たちと協働して行います。人は皆、考え方も仕事の行い方も異なります。十人十色なのです。その中で、全会一致などと言うことはあり得ません。
ですから、仕事を進める時に、常に100%を求める姿勢では、精神的な持久力がもちません。自分の仕事に反対意見を唱える人は、居て当たり前なのです。そう考えて、仕事に取り組んでいれば、ダメージも最小限で済みます。
無責任で雑な仕事はいけません。“いい加減”で仕事に取り組むことがとても大切です。
私が言う“いい加減”とは、心の中で常にバッファをもっていることです。100%キッチリと隙間のないほどの完成を求めて仕事をするのではなく、「やっぱり上手くいかなかったか、では、これでいこう」という具合に次策を出せる余裕をもつということです。
バッファをもっていない人は、100%が崩されると0%またはマイナスまで落ち込んでしまいます。これを何度も繰り返していては、マインドが疲弊するのは自明の理です。
もっと柔軟性を効かせて、Aという形でラインに流したら、Bになり、Cになった、最終的にはDとなって完成を見た、これくらいの加減でよいのではないでしょうか。
絶対にAでなくてはならないなどと、考えないことです。自分で考えた最善策のAが、この後、どのような形になるのかな?くらいに考えておくのです。
“いい加減”を身に付けるには、自分の力の限界を知ることと人に助けてもらうことの2つのことを十分に認識することです。
かく言う私が“いい加減”を仕事の中に見出し始めたのは、40歳を過ぎてからです。
そして、最近特に思うのです。自分にとっても心地よい“いい加減”は、周囲の人たちにとっても心地よいものだと。。