学校教育ー39 とことん追い込まないことです
◆宿題を忘れた、提出物を忘れた、けんかをした等々・・・教室の中は、常に小さな失敗が溢れています。こんな時、子どもたちをとことん追い込まないことが肝要です。
私は、いじめのように友だちの心身を意図的に傷つけた言動に対しては烈火のごとく叱りました。しかし、それでも子どもたちを精神的に追い込むことはしませんでした。どこか、逃げ道を作っておくのです。
そうすれば、子どもたちは「今度からがんばろう」という意欲を持てます。
子どもたちの意欲で結べるような指導をするためには、子どもたち一人ひとりの長所や可能性を日頃から観察しておくことにしています。良くない行いをした時に、指導する時、その子どもの良さや可能性を語り、意欲を持たせるのです。
「○○さんは、今回は良くないことをしてしまいました。しかし、○○さんは、もともと優しい心を持っていて、自分の暴力を封じられる力も持っています。今度からはその心と力を使うようにしましょう」という具合です。
これは、子どもたちに対する暗示にもなります。「△さんは、短気で乱暴だ。これさえなければ、素晴らしいのだが・・・」と指導すると、△さんは短気だと断定的な暗示をかけてしまうことになるのです。その子どもの持っている力を引き出せるようなプラスの暗示をかけたいものです。
また、失敗している子どもは、教師に言われなくても「自分が悪いことをしてしまった」という反省をしているものです。本人が反省をしているのですから、今後の行動に反映できるような指導の言葉を探してみたいものです。
そのためには、教師が失敗している子どもの気持ちを本気になって考えてみることが肝要ではないでしょうか。
子どもの失敗をとことん追い込まないことです。
叱られたというマイナスの感情だけが残ってしまいます。
さわやかに、次の行動に移れるような叱り方、指導の言葉を教師は絶えず見出し、磨いていくことが必要です。