クラブ活動 「教育は愛」No.233

学校教育

学校教育ー48 クラブ活動と昭和の放課後遊び

◆小学校では、4年生から6年生までを対象に、クラブ活動を実施しています。特別活動に位置づけられている教育活動です。学校によって、クラブの種類や数は異なります。しかし、子どもたちが関心のあるクラブで、異学年合同で行うスタイルはどの小学校も皆同じです。

 クラブ活動の様子を参観すると、子どもたちの表情が通常の授業とは全く異なることに気が付きます。その様子を一言で表すとすれば、開放感に満ちあふれているのです。

 教科書を使って、教師から説明を聞き、友だちと話し合い、最適解を導く授業スタイルとクラブ活動は根本的に違っているのです。

 クラブ活動では、6年生を中心に、活動内容や計画を立て、自主的・主体的に活動を進めていきます。担当の教師はついていますが、教師が教えて、子どもたちが学ぶ、というスタイルではありません。

 子どもたちの創意工夫も十分に反映されるのです。

 一見すると、この活動のどこが楽しいのか?と思ってしまうようなことでも、子どもたちは大真面目です。そして、何より楽しんでいるのです。

 その姿を見て、昭和の放課後を思い出しました。学校から帰ると、広場や公園に子どもたちが自然と集まり、今日の遊びを考えます。ベーゴマ、面子、馬つぶし、缶蹴り、鬼遊び、三角ベースボール、ドッジボール、かけっこ等々・・・。みんなで話し合い、遊び、飽きたら別の遊びをします。遊びのルールは、やりながら、みんなで決めていくのです。

 ガキ大将のような特定の子どもに有利なルールは、自然と撤廃されます。民主主義の仕組みが働くようになっているのです。

 こうして、下級生は上級生から学び、ともに成長していきます。時には、喧嘩もします。しかし、仲直りも自分たちだけでします。今は、子どもの喧嘩に親が登場し過ぎて、仲直りも複雑になる一方です。子どもは、遊びを通して、喧嘩と仲直りをセットで学んでいくのです。こうして学んでいくうちに、思いやりや正義感を理解し、友情を深めていくのです。

 令和の時代、子どもたちの放課後は大人顔負けの忙しさに追われています。ですから、クラブ活動では、昭和の放課後遊びが担っていた役割を求められているのかも知れません。

 1単位時間ではなく、半日くらいクラブ活動に時間を割けば、子どもたちの心は、もっと豊かに、たくましく成長するのではないでしょうか。

 クラブ活動を参観しながら、そんなことをアレコレと考えていました。

タイトルとURLをコピーしました