クリティカル・シンキング 「教育は愛」No.215

学校教育

学校教育ー45 クリティカル・シンキング

◆クリティカル・シンキングとは、経験や直感だけに頼らず、客観的な視点で分析し、解決する考え方のことです。既存のルールについても懐疑的に考え、本当に必要なことなのか、そして、さらなるベスト、ベターの方策を探ろうとする考え方です。激変する社会の中で生き抜くためには必要な力と言えます。

 学校教育では、今まで正解だけを教え、導いてきました。これは、教科教育だけでなく、生徒指導面でも、学校のきまり、校則などを通して、子どもたちの生活を律する傾向が強かったものです。近年、校則は、子どもたちが、自ら考えるもの、とういう風潮も現れてきました。

 私の勤務する学校でも子どもたちが自ら学校のきまりを考えるようになってきました。

 学校では、シャーペンの使用を禁じています。これは、小学生段階では正しい鉛筆の持ち方を学び、筆圧をかけて書けるようにすることが主なねらいです。ですから、低学年では、鉛筆の硬さも4Bや6Bなどの柔らかいものを推奨しています。

 しかし、高学年にもなると鉛筆の持ち方や筆圧をかけて文字を書くことも一応できるようになっています。このような段階にある6年生は、塾でもシャーペンを使い、中学生の先輩たちも自由にシャーペンを使っている姿を見て、使いたくなることは当然の流れです。

 そこで、6年生の子どもたちが、プレゼン資料を作成し、校長室までシャーペン使用のプレゼンをしてくれました。見事な理論と資料が展開されました。

 そこには、シャーペンを気持ち良くしようするためのルールづくりまで考えられていました。私は、その提案に賛辞を贈り、この後、学年で話し合うことを勧めました。そして、学年でルールを守り、節度を守って使用できるになることを期待していることも伝えました。

 私は、シャーペンの使用云々ではなく、子どもたちが、既存のルールを懐疑的に考え、今の自分たちに合ったルールづくりをしようとする考え方、行動力が素晴らしいと思います。まさにクリティカル・シンキングです。

 このことをプレゼンに来てくれた子どもたちにも伝えました。

 これから先、大人になっても、今の考え方や行動力を大切にしてほしいと。

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