職場ー18 教師の主体的な学校研修を目指して
◆テーマや教科を定めて、学校研修に取り組んでいる学校が多々あります。私も勤務していた学校のほとんどで学校研修に取り組んでいました。しかし、学校研修を重ねていて疑問に思ってしまうことがありました。それは、一部の教師による研修に陥ってしまい、研修お任せ(お客様)状態の教師が多数出現してしまうことです。
学校研修は、学校全体で研修する教科等を定めて、授業研究を行います。研究の成果を整理して発表する時には、研究授業を発表し、研究協議を行うという形が一般的です。
その際に、研究紀要を作成し、教育委員会からも指導者を招聘し、指導・講評をいただくことにより、研修の成果を振り返り、これからの研修の方向性を定めます。
私も研修を推進する核である研修主任として、このような学校研修を今まで何の疑問も抱かずに、何度も繰り返してきました。
教育委員会に勤務している時にも、いろいろな学校の研究発表会や研究授業へ指導者として招聘され学校の先生方と一緒に授業研究に取り組ませていただきました。
このような学校研修を行うと、教職員のチームワークがとても高まる場合もあります。反対に、やらされ感が強い研修に陥ると、チームワークが著しく低下してしまう場合もあります。
私は、研修主任として、両方の場合を経験しています。
この経験をはじめ、今になって感じていることがあります。学校研修では、研修対象となっている教科のエキスパートや研究授業を行う教師に負担が集中してしまっているということです。
ということは、その他の教師については、どのように見事な研究発表を行ったとしても、あまり大きな成果に結びついていないことが多いのです。大きな成果というのは、いかに研修した成果が子どもたちに還元され、成長に結びついているか、ということです。
このような経験を踏まえ、現在勤務している学校では、教師一人ひとりが、自分でテーマを決め、子どもたちの成長に結びつくような研修を自主的に計画・立案して、検証まで行うという全く新しい研修の方法に取り組みました。
研修主任の情熱や人間性が、先生方の意欲を引き出し、主体的な研修姿勢がはぐくまれています。一部の教師への「お任せ研修」の姿勢は微塵もありません。
この研修方法は、緒に就いたばかりです。
今後、学校研修の成果がどのように子どもたちの成長に反映されるのか、ワクワクしているところです。