人間学 「教育は愛」No.477

管理職

管理職ー43 人間学

◆私の愛読書のひとつに伊藤肇氏の本があります。その中でも氏が朗読した講話を収録したカセットテープの内容を本に著わした『十八史略に学ぶ人生の法則』(致知出版社)は、読み返すほどに学びがあります。

 全10講で構成されています。中国の古典『十八史略』を基にしながら、伊藤氏が交流のあった財界人とのエピソードを交えて、書かれています。そこには、リーダー学、人間学、人生訓など数多くの珠玉の教訓が並びます。実に勉強になります。

 その中からリーダーの在り方としての一節、ニーチェの言葉を引用したかつての東芝社長の岩田弐夫氏の講演の結びの言葉が心に響きました。次の言葉です。

 「ニーチェは、健康であるということは、おのれの存在に気がつかぬことである、といっております。(中略)起業もまた同じであります。社長がいるなと気づくような会社はだめで、社長なんか、いてもいなくても、社員一人一人が自分で考えて、もうかるようにならなければいけないのであります。私は、社員たちによくいうのですが、とにかく諸君は、命令を意識せず、いささか皆がりっぱに経営する東芝をつくってくれるように頼みますよ。理由はこのおれが凡人だからだ、といってせっせとがんばっているところでございます」

 伊藤氏は、この言葉の後に「トップはシャッポみたいなもので、軽ければ軽いほどいい。という箴言がありますが、かぶっているのか、かぶっていないのか、社長の存在を部下がわからぬくらいなら最高であるというわけです」と続けられています。

 私は、学校の仕事を任せたい、しかし、価値観が異なり、考え方にギャップを感じるから完全に任せ切ることはできない、それがもどかしい、と思ってしまう校長です。

 それは、自分の理念や目指す方向性を確実に教職員に伝え切れていないという自らの反省もあります。理想的なのは、校長の日頃の言動を見て、目指すゴール像を教職員が察し、さらに自分でベストと考えることを盛り込みながら行動し、学校全体が一丸となって子どもたちの未来を拓く力を存分に発揮できる学校だと思います。

 校長が理念や理想を語らず、ただ教職員に任せているだけではシャッポになりません。

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