人間学・2 「教育は愛」No.478

管理職

管理職ー44 人間学・2

◆伊藤肇氏の『十八史略に学ぶ人生の法則』(致知出版社)には、リーダーの出処進退についても興味深い教訓が書かれています。

 伊藤氏は、出処進退の原則を越後長岡藩の家老、河井継之助の言葉を引用され、明確に主張されています。それは、「進むは人に任せ、退くときはみずから決せよ」です。

 そして、伊藤氏は、さらに幾つかの言葉を紹介されています。

 マキャベェリの言葉です。「君子は、民衆の支持を得ていると錯覚してはならない。彼らが、わが君のためには死をも辞さぬ、というときは、死を必要としていないときだけである」

 また、朝日新聞社の信夫韓一郎氏の言葉「アメリカの経営学者の間にいわれている言葉がある。それはどういうことかというと『自分が会社にとって必要だと自分で思ったときは、実は会社がその人物を必要としていないときである』前々から自分はそのことを自分にいいきかせてきたんだ」

 伊藤氏は、上述の言葉を引用する前に、ある経済団体の会長のことも記されています。

 ある経済団体の会長が、そのポストを退く発表をしたそうです。その後、急にやめるのが惜しくなって、6人の副会長に一人一人会い、「自分は会長を退くべきか、とどまるべきか」ということを聞いて回ったというエピソードです。

 「私は辞めた方がいいかな?」と聞かれれば、「辞めないでください」というお世辞が返ってくるのは火を見るより明らかです。長い間、権限のあるポストにいると、そんなことも分からなくなってしまうのが、人間というものなのでしょう。

 ある元プロ野球選手がスポーツ番組の中で「○○選手は自分で引退を決められた。これは素晴らしいことです。大抵の場合は、球団から解雇され引退するのですから」

 自分で引退を決めること、決められること、それは、人生の中でひとつの華なのかも知れません。タイミングさえ間違えなければ・・・。

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