伝えることの難しさ 「教育は愛」No.219

職場

職場ー19 伝えることの難しさ

◆教職員や保護者と面談したり、講演をしたりすると、自分で伝えたはずだったことの半分も伝わっていなかったことを後で知り、愕然とすることがしばしばあります。

 そもそも、自分の考えていることを人に伝えようとした場合、どのくらいの内容が伝わるものでしょうか。

 以前読んだ書物や先輩方から聞いた内容を総括すると、約60%伝われば上出来だそうです。ということは、実際のところ半分以下の場合がほとんどなのではないでしょうか。

 苦言を呈したつもりだったのに、本人は誉められたと勘違いしてしまうこともしばしばありました。

 自分の伝え方、用いた言葉が曖昧だったのかも知れません。

 また、聞いている人の理解力や思い込みがそうさせたのかも知れません。

 いずれにしても、人に説明する場合には、1回ですべてを伝えることは不可能であるということを自覚しなくてはなりません。

 では、伝えたいことを80%以上理解していただくためには、どうしたらよいのでしょうか。

 ひとつは、文章にして説明に添えることでしょう。話し言葉は、流されてしまいます。

 しかし、文章なら、繰り返し読めるし、伝えられた内容を読んだ人でも再現しやすくなるのです。再現できる、ということは理解が進んだ証拠と言えます。

 もうひとつは、1回だけではなく、大切だと思うことは、繰り返し説明することです。キーワードを特に意識して繰り返すのです。

 その他には、解説図を添えることも有効でしょう。

 いずれにしても、自分の考えていることを他人に伝えることは至難の業です。

 子どもたちに指導する授業でも同じことです。1回説明しただけで、全て完了という意識は捨てなくてはなりません。

 話して伝えることには限界があるのです。4割理解してもらえればよし、くらいの気持ちで、自分の話し方や説明力をアップさせていくことが肝要ではないでしょうか。

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