教師ー39 先人に学ぶ
◆令和の日本型教育の名のもとに、子どもたちの自主性・主体性をさらに発揮させるような授業研究を見聞きします。ここで、創造性を発揮させるのはよいことだと思いますが、より精錬させるためには、先人の研究に学ぶ姿勢があれば鬼に金棒だと思います。
キャリアも浅い教師が、これ見よがしに独善的な授業論を述べ、得々と授業をしている風景を見聞きします。リード文にも書かせていただいたとおり、創造性を発揮させ、挑戦するのは大いに結構です。
しかし、教育というのは、歴史ある営みであり、脈々と受け継がれた財産も沢山ある分野です。自分がチャレンジしようとする前に、先人の先行研究や先行実践を謙虚に振り返る姿勢も大切なのではないでしょうか。
教育に命をかけるようにして、磨いてきた実践や研究は数多あります。
それらに目もくれずに、昔のものは時代遅れ、学ぶに値しないと言わんばかりに否定して、独善的なチャレンジをしている姿は滑稽です。
教育の歴史の中で、自分の立ち位置を見直し、さらに未来を見据えて教育を語ってほしいと思います。
ただ、ICTが得意で、便利なソフトを駆使して効率を優先させた授業を行うことが最上の策とは思いません。
また、子どもを置き去りにして、目立とう精神旺盛に、独自の論を打ち立てるのにも感心しません。
先人に学び、その良さと改善すべきところを精査しながら、新たなチャレンジをしても遅くはないのではないでしょうか。
もっと言えば、じっくりと学ぶ姿勢が欠如している教師が増えているように思えてなりません。教育とは、地味なものであり、常に子どもを第1に考えて営むものです。
子どもたちが評価してくれる授業とはどのような授業か?
調べ、学び、見て、聞いて、自分なりのオリジナルを創造する授業こそ、子どもたちや世間から認められる教育になるのではないでしょうか。