医師と教師 「教育は愛」No.353

教師

教師ー52 医師と教師

◆医師は人の命をつかさどり、教師は人の人生(未来)をつかさどる、と言われています。以前から教師は医師と同等の尊い職業だという私の考えは変ることはありません。しかし、働き方改革が叫ばれている今、教師は医師に追いつけない職業になっているような気がしてなりません。

 ある歯科医の方とお話ししました。治療の技術は、年々進化しているそうです。昔は、ゴムで型取りしていた歯の詰め物も、今ではスキャナーで読み込み、型を作るそうです。しかも型からできた被せは銀色ではなく、歯と同じ色です。

 新しい技術を使いこなして、治療を行うには、スキルを磨かなくてはなりません。患者さんに満足していただくような治療を行うためには、スキルを磨くことは必要不可欠です。

 それに比べ、教師は、タブレットPCという新しい機器が導入されても、スキルを磨こうとする必死さが感じられません。今まで通りの手法でも子どもたちに教育できるという思い込みがあるのでしょう。子どもたちのために、最高の教育を行おうという意識が、医師のそれに比べて低いと言われても仕方がありません。

 働き方改革のアンケートでは、テストの採点、評価、成績処理といった作業に負担感があるという回答を示しています。「大変だから」という名の下に、教師の本丸に近い仕事まで省こうとする風潮が見られるのです。

 医師は患者さんを見て、仕事をしています。教師は本来、子どもたちを見て仕事をするはずです。

 しかし、最近は「大変だから」と教師が教師だけを見て、仕事を論じているような気がしてなりません。

 教師とは、子どもたちを教育して、子どもたちの人生(未来)を拓く仕事を担っているはずです。

 もっと、子どもたちファーストで考えるようにならなければ、いつまで経っても医師との差は埋められません。

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