問題児への指導 「教育は愛」No.151

学校教育

学校教育ー37 問題児への指導

◆学級の中には、必ず「問題児」と呼ばれる子どもがいます。「問題児」というと語弊があるかも知れません。ここで言う「問題児」とは、ちょっと乱暴で、いたずら好き、調子に乗りすぎる子どものことです。昔からどこにでもいる腕白小僧のことです。(私自身も小学校時代は、問題児と呼ばれていました。)

 さて、この問題児を叱るだけで、物事の是非を理解させようとするのは、全く的外れな指導です。もちろん、悪いことをした時、きっちりと叱り、指導することは必要です。

 しかし、私は、自分自身が問題児だったことを踏まえ、教師になってから、次のように配慮・指導をしてきました。

  • 叱っても怒らない。・・・起こった形相や態度は演出しても、心の底から怒りません。冷静さをベースに叱るのです。
  • バッサリ叱った後はサバサバと・・・叱る時は、バッサリと短時間で行います。その後は、決して叱った内容を長引かせず、何事もなかったように優しく、普通に話しかけます。
  • ほんの僅かな善行でも誉めます・・・その後、叱った子どもが僅かな善行でもすれば、大きくクローズアップしてみんなの前で誉めます。この時、感情を込めて、ガッチリと握手します。
  • 行動を共にします・・・休み時間は、一緒に遊びます。授業中は、必ず個別指導をします。

 こうしているうちに、休み時間に、問題児の方から私に近寄ってきて、世間話でもするようになれば、万々歳です。心を開いてくれた証拠です。

 このような状態になるとこの子どもは、学級にとってもう「問題児」ではなく、行動力あるリーダーとなって認められるようになります。その子どもの長所を積極的に誉めるようにしていれば、学級の子どもたちも、その子どもを肯定的に見るようになるのです。

 担任は、子どもたち一人ひとりの長所を見出し、みんなの前で称賛してあげることが大切です。問題児だからと言って、その子どもの長所を見出す努力をしなければ、その子どもはいつまで経っても問題児のままです。問題児だって、自分の良い部分を認めてもらえれば、嬉しいし、自己肯定感だって高まるのです。

子どもたちの自己肯定感を高めること、これこそが、教育の本丸ではないでしょうか。

◎「問題児」とは、たまたま、その時に教師(大人)の思い通りの行動をしてくれない子どものことです。その子どものことを真剣に理解しようと努力し、根気強く指導していけば、学級のリーダーとなる可能性だって秘めているのです。

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