地域の教育力 「教育は愛」No.226

生涯学習

生涯学習ー12 地域の教育力

◆学校関係者、保護者、地域の代表等で話し合う機会がありました。その中で、どのように子どもたちの健全な育成を図っていくか、という議論になりました。

地域には、かつて、子どもたちの思い出に残るようなイベントを沢山企画し、運営していました。

 コロナ禍の影響もあります。働き方改革の影響もあるでしょう。

 土日に、地域や保護者が企画したイベントが消失しつつあります。

 地域の方が、懐かしそうにお話ししてくださいました。

 「かつては、地域が主催になって、学校を会場にお祭りをやりました。焼きそばを焼いたり、ヨーヨー釣りをしたり、小学生だけでなく、中学生も集い、楽しい思い出をつくったものです」

 このような時、学校からも管理職だけでなく、多くの教師がイベントに参加したものです。なかには、自分の子どもを連れて、家族ぐるみで参加し、楽しむ姿も見られました。

 子どもたちも、学校の教師がイベントに顔を出すと、大喜びしてくれます。学校では見られないような笑顔が、子どもたちにも、教師にも見られたものです。

 今、私が勤務している市では、コミュニティ・スクールを推進し、学校を中心とした地域のコミュニティづくり、「スクール・コミュニティ」づくりを進めています。

 地域の核となっている自治会も高齢化が進み、自治会の集まりにも参加する人は固定化されてしまいます。自治会に入会しない人も少なくありません。PTAも同様です。入会しない人も年々、増加している学校もあります。また、役員決めでは、どの学校も四苦八苦しているようです。

 このような状況は、地域や保護者の関係性を希薄化し、折角の地域の教育力を脆弱化させてしまっているのです。

 イベントを開催することだけが、地域の教育力ではありませんが、大人も子どもも笑顔になれるようなイベントは、子どもたちの健全な育成には有効です。

 そのためには、忙しさだけを理由にするのではなく、できる範囲で構わないので、大人も楽しみながら企画・運営するだけの心の余裕が必要だと思います。

 学校も、年がら年中、忙しさに追われ続けている印象が、年々強くなってきました。もう少し、肩の力を抜いて、ほどほど感を持って仕事に取り組むことも大切でしょう。

 地域や保護者の方と昔の姿を思い浮かべながら、あの頃には戻れないけれども、新しい形で何かできないかと考え込んでしまいました。

タイトルとURLをコピーしました