大事の前の小事 「教育は愛」No.196

管理職

管理職ー14 大事の前の小事

◆「大事の前の小事」、リーダーたる者には必要な考え方だと思いました。新年早々、素敵な言葉と出会うことができて幸せです。

 この言葉は、『謎手本忠臣蔵』(加藤廣著 新潮社版2008年)で出会った言葉です。

 年末から「忠臣蔵」にはまり、今まで本棚で眠っていた本を取り出して、読み返しました。大石内蔵助が、江戸の堀部安兵衛ら急進派の先走った言動を御する時に口にした言葉です。

 困ったことをする連中だ、しかし、これも大事の前の小事と心得え、じっと我慢する、このような場面で使われていた言葉です。

 私は思わず唸ってしまいました。

 リーダーは、時にゴールを目指して、幾つもの重要な判断をしなくてはなりません。そして、自らどのように行動すればよいか、思案にくれているものです。

 そして、策を見出しても、その通りに行かないのが人の世の常です。

 学校で言えば、校長があるゴール像を目指して率先垂範する。しかし、時に理解が追いつかない教職員が、スタンドプレーをしてしまう、よくあることです。

 そもそも、リーダーの考えていることを正確に理解し、受け止めてくれる教職員が、どれくらいいるものか・・・3割いればよい方ではないでしょうか。そのくらいの思いでいなくては、到底校長職など務まりません。

 さて、教職員だけでなく、保護者の中にも、堀部安兵衛のような急進派はいるものです。そのような振る舞いを見た時に、重箱の隅をつつくように自らの考え通りに説明を繰り返し、道を修正するか、それとも大局的に俯瞰して、ゴールへ辿り着くことができればよしとするか、校長の器が試される時です。

 「大事の前の小事」と飲み込み、流れに身を任せるような思いも時として、なくては、自分のメンタルも教職員や保護者のメンタルにも障ることは必定でしょう。

 むしろ、自分の考えに耳を傾け、志を一にしてくれる人が数人いれば、有り難き幸せと考え、自分の心に励みを与え、大事を目指した方が賢明でしょう。

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