教師ー53 好きですか?
◆長嶋茂雄さんの追悼番組で黒柳徹子さんと長嶋さんの対談が放映されました。その中で興味深いやりとりがあり、ハッと考えさせられました。
黒柳さんが「長嶋さんは野球がお好きですか?」と質問されました。
長嶋さんは即答です。「ええ、大好きです」そして、どうしてこのような質問をされるのだろう?と一瞬、不思議そうな表情をされました。
すると黒柳さんが「いや、以前、お相撲さんに相撲は好きですか?とご質問したら嫌いだとお答えになった方がいたものですから・・・」とお答えになり、長嶋さんも合点がいったような表情をされていました。
ここで、考えました。プロ野球選手は野球が好きか? 力士は相撲が好きか?
教師は・・・? 学校や子どもが好きか? といったところでしょうか。
私は、教師です。「学校や子どもが好きか?」と問われれば「ええ、大好きです」と迷うこと無くお答えします。だから、苦手な管理職や同僚がいても、仕事が偏るくらい自分が担当することになっても、多少、体の調子が悪くても、学校を休もうという気持ちはサラサラありませんでした。大好きな子どもたちが、私のことを待ってくれていたからです。
最近、いろいろな論評や、知人から見聞きする中で、働き方改革の推進もあるのでしょうか、全国的に、子どもファーストで考えることよりも、自分の抱えている仕事のことを不平等だと訴えたり、管理職や同僚と意見が合わないと不満を口にしたりする教師が増えているような印象をもちます。
最早、「子どもが待っているから」だけでは、クリヤーできない時代に入っているのかも知れません。まずは、自分の待遇や自分を認めてくれる同僚等の存在が優先されてしまう時代なのかも知れません。
もちろん、中には「学校が好き、子どもが好き」という教師も沢山います。それが救いです。
私は、価値観の異なる教師が多くなっても「教師は聖職者たれ」という思いを胸に、教師のステイタスを本気で復権したいと願っています。