学校教育ー88 学校文化
◆学校には文化があります。文化とは、「行動や思考の型」であり、それを支えている価値観だと考えています。広義の学校文化もあれば、狭義の我が校の文化もあります。
我が校の文化を考えた時、その学校の「校風」と表現されることもあります。
我が校の文化を形成している基盤は何でしょうか?
ひとつは、地域の文化があります。その地域独特の行動や思考の型が必ずあります。
三代にわたって暮らしている家庭が多い地域、新興住宅街で地域としての歴史の浅い地域、商店街が賑わっている地域、大型店舗が中心の地域、鉄道を主な交通手段としている地域、バスを主な交通手段としている地域など、その地域ならではの行動や思考の型が根付いているものです。
また、地域の文化を受けて、家庭の文化も大きな基盤となっています。家庭における行動や思考の型は、子どもたちにとっては絶対的な価値基準となります。家庭の文化は、そのまま、子どもの文化に発展します。
そして、その学校で教育活動をしている教師の文化があります。よく、校長が変れば学校は変ると言われます。校長自身の価値観、そして教師の価値観、これらは、思考の型を生み、言動に表れ、日々の教育活動に反映されるものです。
この3者が融合して、その学校独特の、我が校の文化が形成されているのではないでしょうか。
地域や家庭の文化を教師が変えられるほどの力はありません。地域や家庭の実情、文化に合わせて、教師がどのような教育活動を行うのか、そこが肝心です。
学校で行われることは全て教育活動です。そして、学校にあるものは全てが教材になるのです。授業や休み時間、放課後の教師一人ひとりの言動、全て我が校の教育活動です。
そして、教師の服装や身なりさえも、子どもたちにとっては、学習教材なのです。
「教師は、子どもたちにとって最高、最強の教材である」といく教訓もあります。
ですから、教師は、自分の言動が自分だけに留まるのではなく、学校文化に影響を及ぼしている、ということをもっと自覚する必要があると私は考えます。
このことにプレッシャーを感じるのはなく、教師のやり甲斐として捉え、大いに楽しむくらいの気構えがあってほしいものです。
教師一人ひとりが、学校の文化を創っている、もっと言えば、我が校の歴史を創っているのですから。
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