コラムー36 寛容と厳しさを併せ持つ魅力的な方
◆失敗に対しては、受け入れて一緒にリカバリーの方法を考えてくださる方。小さなことにこだわることなく、笑顔で接してくださる方。ご自分のことはいつも後回しにして、周囲の人たちのことを思いやって優先してくださる方。このような方と出逢うと自分は、この方のように寛容になれるだろうか?と自省しながら、ただ、ただ頭が下がる思いになります。
一方、仕事に対しては厳しい。お金をいただいて仕事をしているのだから、というプロ意識が強いのです。ひとつの仕事に対して、様々な可能性を考え、転ばぬよう指示を与えてくださるのです。この方のメリハリの効いた眼差しには、まるで神が宿っているのではないかと思う程、惚れ惚れとしてしまいます。
諸葛亮孔明が、部下から「畏れられながら愛された」そうだが、その表現がピッタリと合っていると思います。このような方と一緒に仕事ができたことは、生涯の宝となります。
想像するに、その方の寛容さは、幼い頃からの生育歴や人生で経験された修羅場の数々から、優しさや温かさに昇華してのではないでしょうか。人に言えないご苦労を胸に刻まれているように推察します。
時々、その方がご自身の回顧談をしてくださり、その片言隻句から理解できたような気がしました。
また、仕事に対する厳しさについては、この方の生き方そのものになっているのだと思います。決して自分自身のためだけでなく、この方には「○○のために、仕事は一生懸命に取り組むことが当たり前!」というある種の使命感を持たれているような印象を持ちました。
仕事をしていると、肝心なところにくると、あやふやにしてしまう上司をよく見かけます。この人には、使命感が欠如しているのではないかと疑ってしまう程です。
このような人は往々にして趣味の世界でも同様です。ゴルフで、バーディーチャンスを得ても、気合いを入れることができない。妙にヘラヘラして集中力を欠いてしまうのです。
つまり、何事に対しても、使命感や本気が感じられないのです。
◎世の中には「対の法則」というものがあると聞いたことがあります。寛容という優しさの対には絶対に失敗を許さない厳しさがあるのです。この両面を身に纏う為には、生き方、人生における信念が必要なのかも知れません。
人生は有限です。長短の差こそあれ、一人に一つの人生です。何がしらの信念を抱き、できれば貫いて生きたものです。
信念のある方は、目と笑顔に表れます。
涼やかですが、キラリと光る鋭い目、全てを包み込んでしまうあたたかい笑顔、私がお会いした魅力的な方の特長です。