悪口を学級から閉め出す 「教育は愛」No.148

学校教育

学校教育ー36 悪口を学級から閉め出します

◆人には、他人の悪口を言って、グループ内の自分の安全を確保しようとする悲しい傾向があるのではないでしょうか。他人との付き合い方の基礎を指導する学校においては、他人の悪口を言わない習慣、できれば他人の長所を見出す習慣を身に付けさせることが大切だと考えます。

 学級の中で、一人が友だちの悪口を言い始めると、この悪い空気は、瞬く間に学級全体に拡散されていきます。そのうちに、悪口を言われる子どもが次々と変化し、子どもたちの人間関係が疑心暗鬼になってきます。こうなると、もう、こどもたちの手で解決できる域を越えています。

 自分の上に吐き捨てた唾は、やがて自分の顔に落ちてくるのです。

 また、子どもたちは、自分の親の悪口もよく口にします。こんな時、私は「そんなことないですよ。それは、お母さんが○○さんのことを深く愛している証拠です。○○さんのお母さんはとても優しい方ですよ」と子どもの悪口を打ち消すようにしています。

 悪口を言う時は、大抵相手に同意を求めている時です。同意を得られなければ悪口はそこで終結です。

 子ども同士の悪口についても同様です。悪口に同意することなく、その子の長所を伝えるのです。そして、明らかに何か問題がある場合には、是々非々を明確にして、関係する子どもたち全員に指導します。

 こんなこともあります。悪口のターゲットとなっている子どもの方を見ながら内緒話しをしています。悪口を言われたと思った子どもは、教師に訴えます。内緒話しをしている子どもたちに注意すると必ず、「言っていません。別の話をしていただけです」と言い訳します。しかし、そこで簡単に引き下がっては指導になりません。問題なのは、悪口を言っていると思われるような内緒話しをしている雰囲気にあるのです。他人に不快感を与えるような行動は、集団行動をしている以上、慎まなくてはなりません。

 気持ちの良い人間関係とは、最低限、他人に不快感を与えない人間関係のことです。特別にベタベタしなくても良いのです。悪口を閉め出し、自然体で構わないから、他人を認め、仲良くする雰囲気を作ることが大切だと考えます。

☆悪口は、人に不快感の連鎖を与えます。子どもたちから悪口を閉め出すためには、大人の価値観と子どもたちを見る目の2つを研ぎ澄ましておくことが必要です。

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