学校教育ー118 授業とは
◆ある若い教師が先日、ICTの授業研究会に参加した時の感想を話してくれました。授業教科は算数だったそうです。研究授業では、ICTの活用に視点をおいた内容となったようです。そして、疑問に感じたことは、ICTの授業なのか?算数の授業なのか?と、熱く話してくれました。
GIGAスクール端末が導入された令和の教育ではICTの活用は必須だと言われます。未来社会を見据えた時、全てはインターネットにつながり、ICTの活用は避けて通れるものではありません。
そこで考えなくてはならないことは、授業は教科の学習内容が優先されるのでしょうか?それともICTの活用が優先されるのでしょうか?
なかには、ICTを活用しない授業は、令和の教育観に合わないと言い切る教師もいます。それも一理あります。未来社会を見据えた時、ICTは必須のツールです。
しかし、教科の学習内容はどう考えればよいのでしょうか?
以前、ある教師が「社会科の授業は暗記ばかりさせられるのでつまらない。自分たちで調べたい」と子どもが主張したので、子どもたちに学習内容を任せて、子どもたち同士でグループで教え合うような授業をファシリテートした、と得意になっていたのを思い出します。
今回の若い教師は、「そもそも、授業とは何か?」と本質的な疑問をぶつけてきました。
ツール重視なのか? 子どもの意欲重視なのか?
かつて、「指導ではなく、支援することが大切だ」と言われた時代がありました。
教師は真面目です。「教えてはいけないそうだ」と言葉を鵜呑みにして、自らの授業力を向上できなかった教師が量産されました。
今回もそれと同じことを思い出します。
教師は、子どもたちが納得できる授業力という専門性をもった職人なのです。
「社会科は暗記ばかりで面白くない」と言われないような授業力を子どもたちに示し、結果として、子どもたちは社会科が好きになる、こんな授業ができるようにならなくてはならないのではないでしょうか。
ICTも同じです。ICTという単なるツールの前に、子どもたちが関心をもち、理解できるような算数の授業力を身に付けていなければならないのではないでしょうか。
ICTの活用方法をいかに工夫しても、算数という教科の特性や本質を見失っていては本末転倒です。
今日の若い教師とのディスカッションでは、授業とは何か?その本質を改めて考えさせられる機会となりました。

