学校教育ー69 授業は生き物
◆授業は生き物だなぁ、と最近よく思います。教師の専門性を生かして、子どもたちに知識や技能を伝達するだけでは、授業にはなりません。動画の視聴と何ら変わりありません。授業は、生き物です。そこには、教師と子どもたちの息づかいが聞こえなくてはなりません。
今まで、自分が受けた授業、参観した授業の中で眠気を催すのは、教師の一方的な説明で終始する授業です。正しいことを説明しているのですが、教師と子どもたちの間で生き生きとした応答がないのでは、授業に勢いは生まれません。
かつて、我が人生の師、髙橋健夫先生が、よい体育授業の要素として、授業の勢いをあげていらっしゃいました。授業の勢いとは、教師が発問する、子どもたちが答える、反応する、それを上手に拾い上げて、教師がさらに深掘りしていく、そのやりとりが、絶妙で授業全体に勢いが生まれるのです。
一方的な説明だけでは、出番の無い子どもたちは、授業に参加しているのではなく、ひたすら受け身で耐えているのです。
教師は、もっと子どもたちの反応に敏感になり、拾い上げるものを取捨選択しながら、授業の目的を気が付いたらクリヤーしているような授業展開を研究する必要があります。
授業は、会話であり、対話であり、生き物なのです。その時、その教師とそこにいる子どもたちにしか味わえない楽しみや醍醐味があるのです。真剣に教え、真剣に学ぶ、その中で授業に生命が吹き込まれるのです。
生きた授業をしたいものです。参観したいものです。