教師-13 心に残るターニングポイント(6)実際にやってみる
◆「先生、実際にやってみましょう!」
長期研修で髙橋健夫先生にご指導いただいていた時の教訓です。
当時、髙橋研究室の研究生だった細越淳二先生(現国士舘大学教授)に、私の低学年・跳び箱遊びの研究をお手伝いいただいていました。
細越先生は、とても情熱的で、私とも教育について、熱心にディスカッションをしてくださいました。また、実際の授業をビデオに撮影していただき、子どもたちの跳び箱を跳んでいる姿を、一コマずつトレースしていただき、技能を分析する方法もご指導いただきました。
長期研修というのは、1年間で自分の関心のあるテーマを選び、実践し、仮説検証を行い、まとめなくてはなりませんでした。
春から実践していた研究も夏に入り、2学期の本格的な検証授業を計画していた時のことです。
細越先生は、「先生、実際にやってみましょう!」と私に提案してくださったのです。この時の言葉が私にとっては、とても新鮮でした。
机上でいろいろ考えるよりもまず、子どもたちの立場になって自分で体を動かしながら考えるのです。私は、細越先生と休日に筑波の公園で待ち合わせて、実際に体を動かしながら数種類の運動遊びを考えました。
実際に体を動かしてみると頭で考えていたことよりはるかに多くの情報を得ることができるものです。それが、体育という教科の特性であることを改めて実感しました。
この時、新しく解ったことのひとつに、体を一瞬宙に浮かせるうさぎ跳びを行わせるためには、20~30cm程度の段上へ、目標ラインを引いて跳び出すと効果的だったということがありました。
この運動遊びは、実際に体を動かして、初めて解ったことでした。
実際に体を動かして、教材研究をすること、体育では当たり前のことかも知れませんが、細越先生から教えていただいた、大切な教訓となり、長期研修以後も、私の教材研究スタイルのひとつとなりました。
【ターニング・ポイント6】
生きた教材研究は、体を動かしながら!