教師の仕事 「教育は愛」No.229

教師

教師ー27 教師の仕事

◆小学校の教師は、MAX35人の子どもたちを一斉に指導しています。子どもたちが登校してから下校するまで、35人から目を離すことはありません。この状況の中で、気にかかる子どもに対しては、丁寧に寄り添い、子どもたちの願いや悩みを聞き、指導しているのです。ところが、最近の保護者からの要求は、度を超えるものも少なくありません。

 ほとんどの保護者の方は、学校で教師が30人以上の子どもたちを指導している状況を理解してくれています。子ども同士のトラブルについて、教師が連絡すると「先生も大変ですね。大丈夫です。先生がそこまでご指導してくださったのですから、あとは子ども同士で仲直りをしてがんばるでしょうから。わざわざご連絡いただき、ありがとうございました」と教師の立場をご理解いただきながら、お礼の言葉まで添えてくださいます。

 このようなご対応をいただくと、この保護者は好印象となり記憶に刻まれます。そして、教師は安心するとともに、さらなるやる気を燃やすものです。

 しかし、その逆もあります。子どもの言葉を鵜呑みにして、一方的に教師を責め、我が子の気持ちをもっと大切にするようにまくしたてる保護者の方もいらっしゃいます。

 教師も仕事ですから、冷静かつ丁寧な対応で終始します。そして、受話器を置いた瞬間にドッと疲れが出ます。何を説明しても聞き入れてもらえず、仕方なく、その状況を学年主任、時には管理職まで報告します。

 管理職に報告した時点で、今回の保護者の方の状況は、全ての教師が共有するところとなります。

 保護者の方は、怒りに任せて、担任教師を叱責したおつもりかも知れませんが、その内容が的を射てない時には、教職員全員から呆れられてしまうことも少なくないのです。

 各学校では、このような保護者の方が一定数いらっしゃいます。

 しかし、時に、その言い方を含め、教師の人格を傷つけるような言葉については、許されてよいものでしょうか?

 東京都では、カスタマーハラスメントへの対応策が全国の自治体に先駆けて整備されました。学校においても、あまりに理不尽な要求については、毅然と対応することが必要ではないでしょうか。

 心ない保護者の言葉に傷つき、病を発症し、最悪の場合、職を辞する教師も後を絶たないのです。

 2025年の民間企業による小中学生の将来なりたい職業ランキング1位に学校の先生が挙げられました。その理由は、かつての担任の先生が優しかったからというものです。

 教師は、30人を越える子どもたち一人ひとりに、神経を張り巡らせて日々、教育活動に邁進しているのです。

 時には、トイレに行く時間さえないくらい、子どもファーストを貫いているのです。

 そんな教師の姿をぜひ、保護者の皆様にもご理解いただきたいと心より願っております。

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