教師の相互作用が豊かな体育授業 「教育は愛」NO.410

体育授業

体育授業ー38 教師の相互作用が豊かな体育授業

◆子どもが評価する体育授業、その3です。授業中に、教師が子どもたち一人ひとりに積極的に声をかけ、子どもたちの変容を認め、必要に応じて修正していくこと、それが教師の相互作用です。授業中の教師行動(指導)と言ってもよいでしょう。子どもたちと教師のやりとりが豊富にある授業を子どもたちは喜び、学ぶ楽しさを体験できるのです。

 これは、体育授業に限ったことではありません。授業とは、教師と子どもたちとの真剣勝負です。子どもたちが成長できるように、教師は言葉、補助、資料提示、教具の開発などあらゆる手を尽くします。

 その中でも授業中の教師と子どもたちとの応答は、大変重要です。

 教師が全体に説明して、あとはどうぞご自由に、という訳にはいかないのが授業です。

 「両手、頭、首、背中、腰の順でゆっくり前転してみましょう」と指示しても両手の次にいきなり背中を着いてしまい、痛い思いをしてしまう子どももいます。その子に対して、丁寧に補助をしながら、「両手の次は頭のてっぺん、そう、今みたいに」と子どもの動きを指導しながら、マットに順次接触できるよう動きを変容させていくのです。

 時には、タブレットで動画を撮影して、練習前と練習後の動きの変容を見せながら説明してもよいでしょう。

 また、ボールゲームでは、前半の子どもたちがプレーしている様子を後半の子どもたちと一緒に見ながら、一つひとつプレーを解説しながら指導する方法もあります。チームの仲間がプレーしている様子を見ながら動き方、ポジションの取り方などを解説するのです。ここで、「ドリブルで進もうとした時に、相手が両手でふさいできたらどうするのですか?」など、子どもたちからの質問にも実際の動きを見ながら丁寧に答えていきます。こうした相互作用を意図的に、豊かにしていけば、子どもたちの「解った!」に火を点けることができます。

 相互作用の引き出しの数を子どもたちの実態に合わせて、増やしていくことが教師には求められているのです。お医者さんの治療方法の引き出しと同じように。

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