教師ー44 教師は何を教えるかよりも
◆「教師は何を教えるかよりも、教師が何者であるかが重要です」(カール・メニンガー)この言葉は、教師と子どもの関係性を示す上でひとつの鍵となる言葉だと思います。
教師の性格や価値観、子どもに対する接し方などは、教える教科よりも重要だと思います。授業に対する情熱をもち、常に子どもたちの立場を察し、愛情を注ぐ姿勢を子どもたちは敏感にキャッチするものです。
子どもにとって最も大切な教材は「教師自身」だと教えてくれた先輩もいました。
教室というひとつの小社会の中で教師と子どもたちは、一生懸命に学び、笑い、泣き、感情を共有していきます。子どもたちにとっては、教室で唯一の大人が教師であり、教師の価値観や考え方が、その小社会のルールとなっていくのです。
そう考えると、教師の存在は子どもたちにとって、とてつもなく大きな存在なのです。
ですから、その教師が何を教えるかよりも誰が教えているのかが、重要になるのです。
小学校5、6年生を担任した子どもたちが同窓会を開き、担任の私もご招待いただきました。その時、教え子たちは「千葉先生に教えてもらったことは覚えていませんが、千葉先生が私たちの担任だったこと、一緒に遊んでくれたことなどは忘れられません」と口々に話してくれました。
教師という職業、どこまでも人間を磨くことが大事だと実感した同窓会でした。