教師ー38 教師は信頼商売
◆人気商売、実力商売、信頼商売、私は、教師という職業は信頼商売と呼ぶにピッタリの商売?だと思います。
人気商売は、モデルや役者、アイドルなど、人気が出て評価される職業のことだと思います。人気が生命線ですから、ファッションや立ち居振る舞い、化粧など、見た目で耳目を引くものがなければなりません。髪型やひげ、アクセサリーなどもその類いです。
実力商売は、プロスポーツや芸術など、成績や作品が全て。ですから、納得させる実力さえあれば、姿形や品位なども関係ありません。力さえあれば称賛される商売です。
信頼商売とは、世間からの信頼を受けて初めて成り立つ職業です。車のディーラーや銀行なども入るのではないでしょうか。そして、私たち教師という職業も信頼商売そのものです。
子どもたちや保護者、同僚からの信頼があって初めて、認められる職業です。もちろん、実力にあたる授業力や学級経営の力も必要です。しかし、信頼されていれば、若くてベテランほどの授業力等の実力がなくても、十分に認めてもらえる職業なのです。
そう考えると教師が力を入れることとは何でしょうか。
私は、人間性を磨くことだと思います。人間性とは、他人に対する思いやり、正直さ、誠実さ、丁寧さ、一生懸命さなどになって表れるものです。
教師は、子どもと毎日が真剣勝負です。子どもは、正直です。口先だけでは納得しません。教師の人間性を感じ、尊敬し、信頼してくれるのです。
ですから、ファッションに凝ったり、髪型に凝ったり、アクセサリーに凝ったりしても信頼は高まりません。他人に不快感を与えないような身だしなみが必要なのです。子どもたちを指導するのですから、清潔感は欠かせないと思います。
車のディーラーへ行くと、どのスタッフさんも清潔感に溢れています。しかも、大変丁寧な言葉遣いです。銀行もそうです。空港や飛行機のパイロット、キャビンアテンダントもそうです。信頼を売り物にしている職業では、清潔感ある髪型、服装、丁寧な言葉遣いが共通しています。
教師はどうでしょう?
最近、自由と個性の名のもとに信頼からかけ離れるような身だしなみをしている教師が散見されます。とても残念なことです。もっと、他に気を遣わなくてはならないことが沢山あるでしょうに。こうした教師の存在が、公立の学校教育離れを加速させているひとつの原因になっているように思えてなりません。
私は、公立学校の教師に今一度、「聖職者」と呼ばれるステイタスを復活させたいと真剣に考えています。