学校教育ー38 時間を守る感性を大切にしましょう
◆学校生活は、時間で区切って様々な教育活動が展開されています。これは、社会に出ても同様です。ですから、当然、学校では「時間」を守ることが、大切な約束・ルールになっています。
さて、給食の準備も子どもたちに、協力や当番活動、マナー等を身に付けさせる重要な学習場面です。それなのに、授業から開放され、休み時間と給食の準備時間が同居するような状態になると、子どもたちは、ワイワイ、ガヤガヤしながら準備をするため、いつまで経っても「いただきます」の挨拶ができません。
こんな時、私は時間を区切ることにしていました。高学年の子どもたちなら7分間程度の時間があれば、十分に準備ができます。これを目安に、子どもたちにあらかじめ準備終了時刻を知らせておいてから準備に取りかからせます。
そして、時間になったら、例え準備が途中であっても「いただきます」の挨拶をするのです。時間の約束を甘く見ていた子ども達は、この時初めて、「時間は、集団生活の大切なルールであること」を理解してくれます。
誤解のないように言っておきますが、準備に間に合わなかった子どもたちを放っておき、食べ始めるようなことは実際にはしません。しっかりと指導し、準備した後、改めて「いただきます」をします。大切なのは、教師の本気度を子どもたちに示すことなのです。
これを数回繰り返すだけで、子どもたちは、時間についてとても敏感になってくれます。その代わり、私も授業の終了時刻は厳格に守り通しました。授業の開始と終了のチャイムは、時間を守ることを全員で意識する大事な約束なのですから。
よく、宴会や会議の際に「笑顔で集う5分前」というフレーズで、互いに時間を意識した時代がありました。大人も、時間を守れなかった時に、もっともらしい理由をつけて、開始時刻に平気で遅れる者も散見されます。
大切なことは、行動に時間を合わせるのではなく、時間に行動を合わせる感性を身に付けさせることではないでしょうか。
そのためには、当然、教師自らが、厳格に時間を守らなくてはならないと思います。