管理職ー34 校長の仕事
◆校長の校務は多岐にわたります。教育課程の管理、学校施設の管理、学校事務の管理、さらには、所属教職員の職務上の監督、身分上の監督等があります。
これらの校務を校長一人では到底できるものではありません。ですから、校務を分掌して運営できるようにしているのです。
例えば、教育課程(学校の教育計画と教育の内容)であれば、教務主任が中心となり各教科主任や学年主任等と話し合い、作成し、運営していきます。学校を動かしている主任たちが知恵を出し合い、まとめていけば、実践力のある教育課程が仕上がります。
これを校長だけで考えていたのでは、他の校務が停滞してしまいます。校長には、幾つもの校務を同時進行させる責務があるのです。
また、学校には、突然の対応も多々あります。子どもたちのけがや保護者からの相談など予定していなかった案件が次々と入ってくることもあります。こうした時に、迅速かつ的確に対応するためには、チーム対応と臨機応変な判断が鍵を握ります。もっと言えば、その迅速さと臨機応変に対応できる力こそが、その学校が持っているポテンシャルだと言ってもよいでしょう。学校力そのものなのです。
校長が、不在の時もあります。校長に逐一報告し、指示を仰いでいるような学校では、機動力に欠け、迅速な対応はできません。場合によっては、教頭や教務主任、関係主任が判断し行動することだってあってよいのです。
時々、耳にするのが、全てのことを校長に報告し、校長の許可を得るまでは行動してはいけない、という指示を受け、組織力が硬直してしまっている学校の話を聞きます。全く嘆かわしい限りです。
冒頭にも述べさせていただきましたが、そもそも、校務は校長一人ではできないのです。だから、分掌しているのです。
校長の仕事とは「教育へのロマンを語ること」「任せて責任をとること」の2つだと考えています。