教師ー4 根拠のない自信を持つ教師
◆教師になって10年間も経っていないのに、過信とも言えるような自信を持っている教師が多くなっているように感じています。そして、やたらと自分より若い教師にアドバイスしたがる教師もいます。他人のことよりもまず、自分自身のことをしっかりとできるようになってからモノを言った方がよいのでは?と思ってしまいます。
どうして、そのような自信を持てるのでしょうか?
団塊の世代が大量退職して、教師の世界も一気に若返りが始まりました。
また、コロナ禍によりオンライン授業で大学を卒業した学生も、教職の道に入っています。対面での交流の経験が乏しい若者たちです。
必ずしもコロナ禍による人間関係の希薄さだけではありませんが、若い教師の中には、自分の世界に浸る者も少なくありません。その結果、物事を自分の間尺だけで考え、納得してしまっている場合があるのではないでしょうか。
ですから、授業にしても、保護者対応にしても、なぜか自信を持ち過ぎている若い教師を散見します。自信に根拠がないのです。
ある程度の経験がある教師は、子どもたちだけでなく、いろいろな人と関わってきました。その関わりの中には、肯定的なものばかりではありません。時に、全面否定されたり、激しく意見を衝突させたりしている経験も少なからずあるものです。そのような経験があるからこそ、自分に謙虚になれるのです。
自信を持つだけの根拠が見つからないのです。逆に、自信を持って言えること、やれることも自分で理解できています。
だからこそ、自信の持てないケースに遭遇した時は、慎重に対処できるのです。決して、思い込みやハッタリで、その場を対処しようとはしません。
しかし、若い教師の中には、自信満々で子どもや保護者に対応し、時に炎上してしまうのです。それでも、深く反省することなく、悪いのは子ども、保護者と割り切って、その後の対応を学年主任や管理職に任せきりにしてしまう者も少なくありません。
医師は患者さんの命を、教師は子どもたちの人生を司っているのです。根拠のない自信を持って、事にあたるべきではないのです。慎重に、時にチームで話し合って、着実な対応をしなければならないのです。それなのに、根拠のない自信を持ち、無責任な対応をしている若い教師が増えていることには、危機感を持っています。
教師という職業に、絶対ということは当てはまりません。根拠のない自信、過信などもつべきではないのです。