コラムー34 武士の魂を持つ魅力的な方
◆武士には、決して他人の所為にせず、自らの信念を大切にして貫くイメージがあります。一度仕えた主には、忠誠を誓い、例え失敗や死が待っていようがとことん付き従います。
そして、敗れた時には潔く腹を切り、責任をとります。
時々、このようなイメージそのままの魅力的な方にお会いすることがあります。
このような魅力的な方の中には、一見接しにくいと思うこともあります。付き合いを深める度に、その方の魅力にすっかり惚れ込んでしまいます。
1を聞いて10を知るタイプの方で、多くは語ろうとしません。行動力も図抜けていて、決して仲間を裏切るようなことはしません。
組織の中で仕事をしていると権力者の周りに茶坊主的な輩が自然発生します。茶坊主は、上にはイエスマンであり、下には横柄な態度をとることが定石となっています。
最も、誰にも上司にはよく思われたい、認められたいという欲求はあります。承認欲求です。このことは仕事の励みにもなるし、大切なことです。しかし、それと下の人に横柄な態度を取ることは関係のない部分です。
私が出逢った武士は、例え権力者が支持しても、理に合わないことであれば、ハッキリと言葉にし、行動に移すこともしません。自分の意見と信念をしっかりと持っているのです。しかし、一度納得すれば、予想以上の働きを見せてくれるのです。
私は、彼の上司として一緒に仕事をさせていただきました。彼、自分の将来のキャリアプランについて、相談に来ました。相談と言うより、決意表明にも受け取れました。私は、彼のキッパリとした態度に感銘を受け、彼の思いが叶うよう全力で自分の上司へ働きかけました。その時の彼の礼節に満ちた態度、キラキラと輝いた瞳にハッとさせられたものです。
そう言えば、自分も若かりし頃、彼と同じ瞳を持っていたはずだと。色々な組織の中で人間関係を紡いでいる内に、彼のような武士の魂を忘れてしまっていたのでは?
◎この方は、私の後輩に当たる方ですが、尊敬もしているし、羨望の念を抱いています。
武士の魂と言うと、大袈裟に聞こえるかも知れませんが、自分の信念を揺るぎないものに鍛え上げることは、生きていく上でとても大切なことだと考えています。
私は若かりし頃、他人の言葉や行動に左右されがちでした。だからでしょう。
私には、この方の存在が、より一層輝いて胸に焼き付いています。