熟議の条件 「教育は愛」No.235

学校教育

学校教育ー50 熟議の条件

◆よく熟議という言葉を耳にします。協議というより、一生懸命に話し合っている印象がある熟議。実際に熟議するためには、どのような条件を整えることが必要なのでしょうか。

 式次第に沿って、形式的な協議を進めている限り、熟議の域には入れないと考えています。そこに居るメンバーが、全員、話す機会があること、本音で話すこと、それが熟議だと考えます。

 定められた時間内で、形式通りの話し合いをして、時間がきたら、はい、そこまでで追われるような話し合いが、ほとんどです。義理で話し合いをしているような感じさえしてしまいます。

 先日、本校でテーマを決め、学校医と中学校の教師をゲストに招いて、保護者、教師とで話し合いをしました。4つの小グループ編成で、バランスよくメンバーを振り分けます。

 話し合いが固い雰囲気に陥らないように、お菓子とお茶を用意して、BGMも流しました。イメージとしては、カフェの雰囲気です。

カフェに集まり、世間話をするようなシチュエーションをつくり、話し合いに入りました。すると、結構な盛り上がりを見せました。特に、中学校の教頭と教師の存在は、小学校の保護者の関心を集め、いろいろな本音トークが展開されました。

 嬉しかったのは、閉会した後も誰も席を立とうとしなかったのです。まだまだ、話し足りないのか、話し合いがそのまま継続されました。このような光景を目にしたのは初めてのことでした。

 コロナ禍以前は、教師と保護者間での懇親会があり、お料理とアルコールを楽しみながら本音トークをする場面がありました。しかし、今では、働き方改革も手伝って、そのような席は皆無といってよいでしょう。

 ですから、今回のカフェトークは、新鮮で、本音を引き出すよい機会となりました。

 これからも、メンバーを工夫して、保護者の参加者を募り、教師と保護者の間で教育について熟議する機会を考えていきたいと思います。保護者の人数は4グループで16人くらいが適当でしょう。それ以上になると全員の発言機会が減少してしまうからです。

 次回行うとすれば、保護者の方は先着16名と条件を付けるか、希望者多数の場合は抽選で選考させていただきます、という注釈を付けて応募したいと思います。

よく、参加者の人数にこだわり、動員をかける研究協議会等をよく見かけますが、それでは、形だけの協議に陥ってしまいます。その程度の協議会であれば、実施しない方がよいのではないでしょうか。

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