学校教育ー101 異学年交流の教育課程を
◆異学年交流の活動時間を設定する学校も少なくありません。スタイルや内容は、その学校に応じたものとなっています。私が勤務している学校でも異学年交流の時間を子どもたちが皆、楽しみにしています。
登校班は、近所の子どもたちにより編成している異学年交流の場でもあります。上級生が班長や副班長になり、下級生を安全に学校まで登校する、活動です。
しかし、安全に登校するという目的があるため、活動内容は、1列に並んで、学校まで交通安全に留意して歩く、というものに限られてしまいます。おしゃべりや遊びは、交通安全を損なう可能性があるのでタブーです。
本校で実施している異学年交流は、30分間の休み時間に1~6年生がグループに分かれて自由遊びを楽しみます。最近では、猛暑により暑さ指数が危険値を示す日が多くなってきたので、教室で空調を効かせて活動する形になりました。
6年生がリーダーとなり、遊びの内容を計画します。1年生を教室まで迎えに行き、1年生から5年生に、ゲームの内容を説明し、進行も6年生が行います。教師は、それを見守ります。
この様子を見ていて感じることは、子どもたちが実に生き生きとしていることです。
学校は、同年齢集団で学級を編成しています。これは、教科教育をする上で、子どもたちの発達段階の面から見ても大変合理的です。しかし、ひとつ足りないとすれば、社会性やコミュニケーション力を身に付けさせる上では、横一線の集団なので、お手本が教師しか居ないということでしょう。
上級生の姿を見て学ぶ、下級生のお世話をする、これは、大事な学びだと思うのです。子どもたちの放課後が今ほど忙しくなかった時代には、近所の子どもたちが公園や広場に集い上級生を中心にいろいろな遊びをしたものです。子どもたちは、異学年の集団の中で、仲良くしたり、ルールを守ったり、喧嘩をしたり、仲直りをしたりして社会性やコミュニケーション力、協調性を学んだものです。
今、子どもたちには、異学年の子ども同士による学びの場が不足しているのです。
異学年交流の場で楽しそうに遊んでいる子どもたちの姿を見ていて、もっと、異学年で遊んだり、勉強したり、運動したりする場面を豊かに創出できないものか?さらには、学年を越えたトピックス学習を教育課程にマネジメントすることはできないものか?
いろいろと思いを巡らせています。