笑えない話  「教育は愛」No.200

教師

教師ー20 笑えない話 ~ 働き方改革 ~

◆ある学校の校長から働き方改革のアンケート結果について聞きました。そこで、教師は教職という仕事にやり甲斐は感じているものの、負担を感じることを幾つか挙げていたそうです。その1番目に挙げられた負担が・・・ちょっと笑えない話しでした。

 教師が負担感を感じる業務内容として、事務作業や会議、保護者対応などは、どこの学校でもよく挙がるものです。

 しかし、私が聞いたのは、「授業準備に負担を感じている」というものでした。

 聞いた時、思わず耳を疑い、苦笑してしまいました。

 成績処理が大変だ、という意見でさえ、教師の大事な仕事なのに?と首を傾げていたのに授業準備が大変だ、というのでは、教師という仕事を最早続けるのは不可能ではないか、と思いました。

 教師は、教員免許状というライセンスを持ち、子どもたちに授業をします。小学校なら全教科のライセンスを持っている場合が多く、全教科を授業できます。

 これが、中学校だと教科ごとにライセンスを持っていなくてはならないのです。高等学校も同様です。

 ですから、小学校の教師が中学校で理科を教えたり、高校で数学を教えたりすることはできないのです。

 教員免許状というライセンスに裏打ちされた学校種、教科しか教えられない仕組みになっているのです。

 これは、医師免許を持っている人が治療行為をできるのと似ています。

 教師という仕事も、ライセンスを持つ立派な専門職なのです。

 その専門職の教師が、事もあろうに授業の準備に負担を感じているとなると、大問題です。授業には、計画や教材研究、教具の整備等、準備は欠かせません。

 もし、準備をしないまま、授業をすれば、子どもたちに学習内容を理解させることが十分にできず、信頼を失うことにもなりかねません。

 働き方改革は、楽をすればよいというものではありません。効率的に仕事をして、時間を生み出すような仕組みを考え出すことが本丸ではないでしょうか。

 大変だから、あれも止めよう、これも削除しようという、以前どこかで聞いたことのある事業仕分けのような切り方をしていると教育という営みそのものが成り立たなくなります。

 そのうち、教師が一番負担を感じていることは「授業」、などということがないように祈るばかりです。

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